ザイド・ラード・アル・フセイン国連高等人権弁務官は2月9日、パプアニューギニア首相らに対し、汚職の根絶や法治体制の強化、人権保護への行動を勧告した。フセイン氏は、現地を訪問。同国のピーター・オニール首相、司法長官、国会議長、NGOの代表者らと会談していた。
フセイン氏は、同国では資源採掘企業が、国連先住民族の権利宣言で保障されている「自由でかつ情報に基づく事前の合意(FPIC)」等の人権を尊重していないにもかかわらず、政府から事業許認可を得ていると非難。とりわけ、「特別農業事業リース(SABL)」制度の下で、暴力を伴う農家の立ち退きが発生し、さらには現地警察も立ち退きに協力していると指摘した。フセイン氏は、同国は資源豊富な国であるにも関わらず、多くの国民がその恩恵を受けられず貧困から抜け出せないでいるとも話した。
フセイン氏は、対策の一つとして、政府から独立した国家人権保護機関の設立を勧告。独立機関が、州政府とNGOとの対話を促し、透明性の高い事業展開が進められるとした。オニール首相は、機関設立に向けた法制定に前向きな姿勢を示した。同時に、司法関係者や地域社会に対する啓蒙も重要だと勧告。同国は国際人権条約に署名し、国内法も整備されているものの、その存在が司法関係者の間にですら周知されていない。そのためフセイン氏は、国家人権裁判所の設立も勧告した。
パプアニューギニアは,原油、金、銅等が豊富な資源大国。日本企業も近年、天然ガス採掘事業に乗り出している。
【参照ページ】UN human rights chief urges Papua New Guinea to combat corruption and strengthen rule of law
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