エクアドルで2月4日、憲法改正と国家重要事項に関する国民投票が行われ、7項目全て賛成票が大多数を占めた。今回の結果では、レニン・モレノ現大統領の権力基盤が固まっただけでなく、自然環境保護についても積極化が決まった。
今回の国民投票の背景には、左派与党「国家同盟」の中で、レニン・モレノ現大統領派とラファエル・コレア前大統領派が深刻な内部分裂を引き起こしていることがある。2017年4月2日の大統領選挙では、コレア前大統領が3選を目指したが、モレノ現大統領が勝利。しかし今でもコレア前大統領は再度大統領になる意向を示してきた。モレノ現大統領は昨年10月、国民投票の実施を発表。国民投票の是非については裁判所で審議されたが11月29日までに結論を出せず、本来であれば憲法裁判所での合憲性判断という流れとなるところ、モレノ現大統領は大統領令を発し国民投票の強行実施に踏み切った。
国民投票で問われた7項目のうち、5項目は憲法改正に関する内容。エクアドル憲法では、大統領の再選が認められていなかったが、コレア前大統領が2015年12月3日に国会採決という手法で再選を解禁。しかし今回の国民投票で再度大統領の再選を禁止することが決まった。これによりコレア前大統領が次回大統領選挙に立候補することを封じられたと見られている。他にも、汚職で有罪判決を受けた者の政治的資格剥奪や、前政権時代に創設された裁判官等の公職者選定委員会の委員を一掃し新たな委員を選ぶことも決まった。さらに、金属採掘を、保護区、都市部等で禁止する規定を憲法に盛り込むことも決まった。
残り2項目では、同国のヤスニ国立公園の保護区を5万ha拡大し、同時に国会が許可できる石油採掘区域の面積を1,030haから300haに減少させることが決定。また、キャピタルゲインや土地所有権の移転にかかる税の廃止も決まった。
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