インドネシア地理空間情報庁(BIG)は2月2日、泥炭地(Peatland)の面積や深度を測定助成プログラム「Indonesian Peat Prize」の選定先を決定、発表した。International Peat Mapping Teamが選ばれた。助成金100万米ドル(約1.1億円)が授与された。同チームは、米Remote Sensing Solutions(RSS)、インドネシア政府の技術評価応用庁(BPPT)、スリウィジャヤ大学それぞれの研究者で構成。
泥炭地には数多くの植物や生息している等、生態系の豊富な地域。さらに樹木や葉などが微生物分解されずに地表に積層しており、多くの炭素が固定されている。世界全体の泥炭地の炭素固定量は世界全体の森林の約2倍、550Gt。気候変動緩和への寄与も大きい。
しかし現在、世界有数の面積を誇るインドネシアの泥炭地が危機を迎えている。土地開発のため地下水位の低下と土地の乾燥化が進み、熱帯雨林火災が多発。それによりさらに炭素固定物の微生物分解も進み、多くの二酸化炭素を大気中に排出してしまっている。
International Peat Mapping Teamの技術は、衛星と航空機3Dレーダーで観測した情報と、地上での実地情報を統合し、正確に泥炭地の状況を測定するというもの。同チームが開発したシステム「WorldDEM」は、衛星から10mの解像度で地上の状況を観測できる。
Indonesian Peat Prizeには世界44社が応募。その中でInternational Peat Mapping Teamの技術は、正確性、タイムリー性、費用面で高い評価を得た。今後、インドネシア政府が同社のシステムを活用し測定を進める。
【参照ページ】RELEASE: Indonesian Peat Prize Announces Winner of $1 million: International Peat Mapping Team (IPMT): Remote Sensing Solutions GmbH (RSS), the Agency for the Assessment and Application of Technology (BPPT) and Sriwijaya University
【プログラム】Indonesian Peat Prize
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