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【日本】GPIF、2017年スチュワードシップ活動報告発表。運用会社へのエンゲージメントを強化

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2月2日、2017年のスチュワードシップ活動報告を発表した。GPIFは昨年から年間のスチュワードシップ活動報告の発表を開始。2017年6月には、スチュワードシップ活動原則および議決権行使原則を制定し、運用受託機関に対しESGの適切な考慮と議決権行使を含むスチュワードシップ活動に関して求める事項を明確化。また同10月10月には、投資原則を一部変更し、スチュワードシップ責任に関する活動の対象を株式投資から全ての資産に拡大した。

 GPIFは、スチュワードシップ活動の重点領域として、「インベストメントチェーンにおけるWin-Win環境の構築」「運用会社のスチュワードシップ推進活動の強化、ガバナンス改善」「投資におけるESGインテグレーション」の3つを掲げている。運用受託機関とのコミュニケーションでも、従来の一方通行の「モニタリング」から、スチュワードシップ責任に対する考え方について双方向のコミュニケーションを重視した「エンゲージメント」モデルへ転換。運用受託機関とのミーティングも年に一回の総合評価ミーティングとは別に、スチュワードシップミーティングをはじめとしたコミュニケーションを取っている。

 今回の活動報告では、主に「運用受託機関が捉えるESG課題」「パッシブ運用での議決権行使とエンゲージメント」「運用会社の親会社との利益相反」を取り上げ状況を報告した。ESG課題では、国内株式の運用受託機関は環境や社会等の長期的課題を特に重大なESG課題を認識する一方、アクティブ運用機関ではガバナンスを重視していることがわかった。外国株式については現在確認中。

 パッシブ運用の議決権行使とエンゲージメントでは、全ての国内株式パッシブ運用受託機関で、投資先企業とのエンゲージメントを行う専任部署が設置され、体制が強化された。しかし、国内株式運用機関に要望している「スチュワードシップ活動重視の新しいパッシブ運用のビジネスモデルの提案」については、具体性のある提案がなく、再度提案の要請を進める。

 利益相反では、日本の株式運用受託機関では、運用部門とそれ以外の部門を分離する動きや、社外取締役の選任、第三者委員会の設置等が進展したと評価。一方、外資系運用機関については、組織上の分離がなされていないケース等があると課題感を示した。

 GPIFは今後、さらに運用会社とのエンゲージメントを強化すると宣言。GPIF以外のアセットオーナーと共同した運用会社に対する集団的エンゲージメントも検討すると言及した。

【参照ページ】平成29年スチュワードシップ活動報告

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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