マレーシア証券委員会(SC)は12月19日、ファンドに対するESGガイドライン「Sustainable and Responsible Investment Funds」を制定した。SC監督下にあるユニット型投資信託、不動産投資信託、上場投資信託(ETF)、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティを対象とし、ファンドに「SRI(Sustainable and Responsible Investment)」ラベルを付けるための基準を示した。
同ガイドラインは、SRIラベルのためのファンド認定基準と必要な報告・情報開示基準も示している。マレーシア税当局は、SRIファンドに対する税控除政策を発表しており、SCが基準を定めたことで、SRIファンドの設定が進むと見られている。
同ガイドラインの大きな特徴は、一般的なファンドだけでなく、イスラム教国のマレーシアでも興隆しているイスラム債(スクーク)を対象としたファンドにも適用されること。イスラム債をSRIの一つと捉えた場合、マレーシアはアジアのESG投資市場(520億米ドル)のうち、日本に次ぐ市場シェア30%を占める。さらに世界第2位のイスラム債市場(560億米ドルのうち29%)。イスラム債にも適用できるファンドESGガイドラインが誕生したことで、グリーン・イスラム債発行やSRIイスラム債への投資促進を目指す。
SCが、2011年に発表した「資本市場マスタープラン」では、SRIをマレーシア資本市場発展の重要なドライバーとして捉えてた。2014年の「SRIスクーク(イスラム債)フレームワーク」では、SRIのコンセプトとイスラム法(シャリーア)の規定を統合させたルールを制定した。2017年7月には、「SRIスクークフレームワーク」に基づき、マレーシアで世界初のグリーン・イスラム債が発行された。
【参照ページ】The SC Continues to Drive Sustainable and Responsible Investment (SRI), Issues New Guidelines on SRI Funds
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