世界経済フォーラム(WEF)は1月17日、1月22日から開催される年次総会(通称ダボス会議)に向け、「グローバルリスク報告書2018」を発表した。世界経済フォーラムは毎年ダボス会議のタイミングに合わせてこの「グローバルリスク報告書」を発表しており今回が13回目。
報告書の作成では、まず世界経済フォーラムの専門家メンバー999名に対し、アンケート調査「Global Risks Perception Survey(GPRS)」を実施し、その結果をもとに集計を行っている。調査票には30のリスクが挙げられており、それぞれのリスクについて今後10年での発生可能性と負のインパクトの2つの観点について回答が求められる。集計と分析はマーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーとチューリッヒ保険グループが担当している。
(出所)Global Risks Report 2018
今回の報告書で最も発生可能性が高いとされたリスク
- 異常気象
- 自然災害
- サイバー攻撃
- データ詐欺・データ盗難
- 気候変動緩和・適応への失敗
今回の報告書で最も負のインパクトが大きいとされたリスク
- 大量破壊兵器
- 異常気象
- 自然災害
- 気候変動緩和・適応への失敗
- 水の危機
発生可能性に関するランキングでは、「異常気象」が2年連続で1位。さらに昨年3位の「自然災害」は2位に上がり、気候変動へのリスクが強く認識される結果となった。また「サイバー攻撃」「データ詐欺・データ盗難」の情報セキュリティに関する項目が急上昇した。一方、昨年5位以内に入っていたテロや移民に関するリスクは後退した。
一方、インパクトに関するランキングでは、5位までの顔ぶれは昨年度同じ。1位は2年連続「大量破壊兵器」で、トップ5の中では、「自然災害」が4位から3位に浮上した。
2010年までは、グローバルリスクの中でも経済や金融リスクが上位をほぼ独占していたが、2011年以降はそれにもまして環境リスクや社会リスクが上位を占めるようになってきた。今回も金融危機等の経済リスクは順位が下がった。一方、文化起点の政治リスクについては関心が高まっている。
【参照ページ】The Global Risks Report 2018
【レポート】The Global Risks Report 2018
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