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【アメリカ】ニューヨーク市、エクソンモービル、BP、シェル等5社を気候変動への責任で提訴

 米ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長とスコット・ストリンガー財務長官は1月10日、今後5年以内に、ニューヨーク市管理の各年金基金において化石燃料関連企業からの投資撤退(ダイベストメント)を検討することを正式決定した。ニューヨーク市管理の各年金基金の運用委員(Trustee)への提案を提出する。実現すると石炭含む化石燃料全体の関連企業からのダイベストメントを行う全米初の主要年金基金となる。さらに、化石燃料大手5社に対する提訴も決めた。

 ニューヨーク市が管理している年金基金には、ニューヨーク市職員退職年金基金(NYCERS)、ニューヨーク市教職員退職年金基金、ニューヨーク市教育委員会退職年金基金(BERS)、ニューヨーク市消防士退職年金基金、ニューヨーク市警察官退職年金基金の5つがあり、運用資産総額は1,600億米ドル(約18兆円)。現在全体で、化石燃料関連企業190社以上に50億米ドルを投資している。

 ダイベストメントに向けた第1ステップとして、各年金基金の運用委員が、市財務長官オフィスのアセット・マネジメント局(BAM)に対し、化石燃料ダイベストメントを実施することによる投資ポートフォリオの財務パフォーマンスとリスクへの影響を分析するよう指示する。また運用委員は、化石燃料ダイベストメントが受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)に反しないかを法律専門家に諮問していく。受託者責任に違反しないと判断されれば、BAMは化石燃料ダイベストメントのプロセスとスケジュールを定め、執行コストを下げるため段階的にダイベストメントを実施する。

【参考】【アメリカ】ニューヨーク市財務長官、市管理の年金基金に化石燃料ダイベストメントを数週間以内に提案(2017年12月26日)

 さらに、デブラシオ市長は、化石燃料企業大手5社のエクソンモービル、シェブロン、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、コノコフィリップスを提訴すると発表した。訴訟理由は、5社が気候変動の一因となっており、過去及び将来ニューヨーク市に財政的負担を強いるため。5社に対し、ニューヨーク市が、市政府、市所有物、市民を保護するために費やす数十億米ドルの補償を求める。これには、港湾保護、上下水設備の改善、気候変動緩和、公共医療活動等が含まれる。同市はすでに、海面上昇、強大な嵐、気温上昇対策のために200億米ドル以上を費やしている。

 同市は、化石燃料関連企業は、遅くとも1980年代からは化石燃料が気候変動に大きな影響を与えることを認識していると指摘。化石燃料関連企業は化石燃料を販売しつつ、海面上昇や気候変動から自社所有物を保護することに勤しんでいるにもかかわらず、化石燃料が地球温暖化の要因になっていることを否定するキャンペーンを恣意的に展開していると責任を追及した。

【参照ページ】Climate Action: Mayor, Comptroller, Trustees Announce First-In-The-Nation Goal to Divest From Fossil Fuels

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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