国際漁業NGOの水産養殖管理協議会(ASC)は12月16日、日本水産(ニッスイ)グループの黒瀬水産に対し、ブリ類のASC認証を与えた。ブリ類でASC養殖場認証を取得したのは同社が世界で初めて。ASCは、水産養殖分野のサステナビリティ漁業認証機関。世界自然保護基金(WWF)とIDH(オランダの持続可能な貿易を推進する団体)の支援のもと2010年に設立。
ブリ類(ブリ、カンパチ等)は、国内で生産される養殖魚の約6割を占める。また、日本のブリ類養殖は、世界のブリ類養殖量の約9割を占める。黒瀬水産は2004年1月、日本水産の完全子会社として設立。宮崎県串間市漁協、延岡市漁協、島浦漁協、鹿児島県内之浦町漁協に組合員として加入している。今回ASC養殖場認証を取得したのは、宮崎県延岡、鹿児島県黒瀬、鹿児島県内之浦にあるブリの養殖場。
日本の養殖事業者のASC認証取得は、宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉事務所のカキ養殖に続く2件目。現在、ASC認証が制定されている魚種は、アワビ、二枚貝(カキ含む)、淡水マス、バサ、サケ、えび、ティラピア、海藻、ブリ・スギ類。そのうち今回黒瀬水産が取得したブリ・スギ類は、策定が遅れ、2016年10月に正式に発行した。
WWFによると、基準の策定は、ブリの養殖に携わる世界中の関係者が集まる基準策定会議(アクアカルチャー・ダイアログ)の場で進められるため、当初は世界のブリ養殖の約9割を占める日本の関係者からの関与が少なかったが、WWFジャパンが、2013年にアクアカルチャー・ダイアログを初めて日本に誘致し、東京と鹿児島の2回にわたって会合開催を支援する等、日本の関係者を巻き込んでいった。「当初、日本国内のブリ生産の実態と、環境への強い配慮を踏まえて作られた基準草案の間には、大きな開きがありましたが、さまざまな取り組みを重ねる中、徐々にそのギャップは縮小されるとともに、ASCが目指す『責任ある養殖』についての理解が関係者の間で浸透し」たという。
【参照ページ】世界初!日本のブリ養殖がASC認証を取得
【参照ページ】日本のブリ養殖が、世界で初めてASC認証を取得
【参照ページ】黒瀬水産「ASC Dash board」
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