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【国際】世界銀行グループ、石油ガスの採掘・生産に対する投融資を2019年から停止

 世界銀行グループは12月12日、気候変動対応に向けた新たな施策を開始すると発表した。原油及びガスの探鉱、開発、生産までの上流事業への投融資を2019年から停止すること等が柱。発展途上国での原油やガス関連のプロジェクトには、世界銀行グループがファイナンスの一部を担うことが多く、今回の発表は世界的に大きな影響を与えそうだ。

 原油・ガスの上流事業への投融資停止では、2019年以降、基本的に世界中全ての案件が対象となる。但し、エネルギー供給不足に苦しむ最貧国については例外的に投融資を認める可能性もある。

 野心的な国別削減目標(NDC)を掲げた国におけ融資も増加する。世界銀行グループはパリ協定制定後に2020年までの大規模の融資目標を設定したが、すでに目標額の28%の融資を実施。今後、過去実績の評価をしつつ、2018年の気候変動枠組み条約ポーランド会議(COP24)の場で2020年以降の新たなコミットメントを発表する。

 また、世界銀行グループが投資したプロジェクトからの二酸化炭素排出量の報告も来年から開始する。当面はエネルギー業界等の二酸化炭素排出量が多い業種で実施する。最初の報告は2018年後半に行い、以降は毎年報告する。さらに投融資の意思決定においてプロジェクトからの二酸化炭素排出量を考慮するため内部カーボンプライシングも、国際復興開発銀行(IBRD)と国際開発協会(IDA)の全案件に対し導入する。内部カーボンプライシングは、二酸化炭素排出量の多い業種ではすでに2017年1月から行われていが、2018年1月から対象を拡大する。

 気候変動対応分野への投資も増やす。まず、民間向け投資を担う国際金融公社(IFC)は、アムンディと共同で立ち上げた「Green Cornerstone Bond Fund」に対し3億2,500万米ドルを投資。新興国市場のグリーンボンドを購入していく。同ファンドはすでに10億米ドルのグリーンボンドを購入しており、最終的に20億米ドルまで購入額を増やす。

 世界銀行グループは、気候変動サミットで各国や各地域機関が表明した気候変動対応プログラムへの資金提供も担う。インドでの省エネ、エチオピア、パキスタン、セネガル等での太陽光発電拡大等の他、西アフリカ沿岸部の洪水対策のための投資プラットフォームを西アフリカ経済通貨同やアフリカ開発銀行と共同で発足。「気候変動政策に関する市長誓約」と共同で都市自治体向けの投資プラットフォーム「City Resilience Platform」も立ち上げた。

 さらに先週、世界銀行グループは、エジプト政府に対し、化石燃料補助金を削減する代わりに低炭素エネルギー開発を推進するための政策ローンを11.5億米ドル提供することで合意したことも発表した。

【参照ページ】World Bank Group Announcements at One Planet Summit

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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