IT世界大手米マイクロソフトは12月11日、同社の人工知能(AI)を用いた環境分析プログラム「AI For Earth」を拡大するため、今後5年間で約5,000万米ドル(約56億円)を投資すると発表した。
AI For Earthは、マイクロソフトが今年7月12日にロンドンでのAIイベントの場で発表した新プログラム。農業、水、生物多様性、気候変動等の環境データを人工知能技術を用いて分析しソリューションを見出していくもの。マイクロソフトは、クラウド型のAIプラットフォーム「Azure」を提供する等、AI技術を先導している企業の1社。AI技術を環境分野に用いることで、環境サステナビリティに寄与していく。
同プログラムは、「Access」「Education」「Innovation」の3つの分野で構成されている。まずAccessでは、大学やNGOに対しAIツールを開放し、AI技術が価値を発揮できる分野での協働を行っていく。加えて大学やNGOに対する助成金支給プログラムを開始する。助成金申請は7月から可能となった。Educationでは、積極的にAIの勉強会を開催し、幅広いユーザーへの利用喚起を行う。また、Innovationでは、大学、企業、NGO、政府等の先進的組織とプロジェクトを組成する。すでに自然保護のための土地マッピングプロジェクト、センサーやドローン等を活用した農業生産性向上プロジェクト、伝染病蔓延を防ぐため効果的な蚊取り技術開発プロジェクトの3つが展開しているが、さらにプロジェクトを増やしていく。マイクロソフトはこのプログラムを、AI技術そのものの可能性を高める事業マーケティングとしても用いる。
今回のプログラム拡大発表は、その活動を発展させるもの。まずAccessではすでに助成金支給団体が10ヶ国35団体あるが、それをさらに増やす。Innovationへの取組では、プロジェクトの質を高めるためマイクロソフトの各部署からも人員を出しプロジェクトチーム体制を構築する。また、プロジェクトから得た成果を他のプロジェクトやAzureプラットフォーム上でも活用できるようにしていく。
【参照ページ】AI for Earth can be a game-changer for our planet
【参照ページ】Announcing AI for Earth: Microsoft’s new program to put AI to work for the future of our planet
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