日本の環境NGO3団体は12月11日、銀行大手の投融資方針の社会・環境性を格付するランキング「Fair Finance Guide(フェア・ファイナンス・ガイド)」の2018年日本版を発表した。同格付は、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、ブラジル、インドネシアでも行われており、日本版発表は今年で5回目。日本版の発表は、アジア太平洋資料センター(PARC)、A SEED JAPAN、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の3団体が実施している。
(出所)FFGJ
今年の首位は、三井住友トラスト・ホールディングス。同行はOECD多国籍企業指針を投資基準に採用したこと等により、スコアが昨年の2.6から3.1へと大きく上昇した。また同行は、化石燃料関連企業へのエンゲージメント結果も公開したが、発電事業者の方針を確認しただけだったため、評価での加点基準には達しなかった(*注1)。2位は、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループが2.4で並んだ。三菱UFJフィナンシャル・グループはやや及ばず2.1で4位。農林中央金庫は、プロジェクト・ファイナンスでエクエーター原則を採択したことにより、昨年の0.5から2へと大きく平均スコアを0.5から2へ大きく伸ばした。一方、りそなホールディングスは1.5、ゆうちょ銀行は0.5で昨年と同様最下位だった。しかし、同格付は最高点が10。首位の三井住友トラスト・ホールディングスでも3点台のため、全体的に大きな改善が望まれる結果となった。
同格付は、総合スコアだけでなく、項目別のスコアも公表している。三井住友トラスト・ホールディングスは、人権、労働、汚職の3項目で今回格付の中で最高となる6をマークし、総合スコアを牽引した。人権、労働、汚職の3項目は、全般的にスコアが高く5や4をマークしたところが多かった。一方、気候変動、兵器、漁業、税は7行全てスコアが低かった。ゆうちょ銀行はほとんどの項目でスコアが0だった。
同格付は、項目スコアの評価手法についてもホームページ上で開示している。
*注1:2017年12月15日に修正した。
【参照ページ】三井住友トラスト・農林中金が投融資方針を改善し躍進/FFGJ 2018スコア発表
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