食品世界大手米ケロッグの英子会社、ケロッグ英国は11月30日、シリアル商品の砂糖や塩分の含有量を削減する取組「Better Starts Plan」を発表した。英国では健康への関心が高まっており、政府も砂糖や塩分の含有量を下げる政策を打ち出している。
【参考】【イギリス】公衆衛生庁、食品・外食業界に対し砂糖含有削減ガイドライン発表。肥満防止(2017年4月16日)
ケロッグ英国は、主力の麦シリアル「Coco Pops」では、2017年2月に第1弾の砂糖含有量削減を終えている。以前は砂糖含有量は35gだったが、それを30gに削減。さらに今回のBetter Starts Planで、2018年7月には 17gにまで下げる。実現すると当初と比べ砂糖含有量は半分以下にまで減る。実現に向けては、人工甘味料を減らしカカオや穀物由来のシンプルな添加物を用いることで、風味を損なうことなく砂糖の含有量を減らしているという。塩分は、0.75gから0.68gに9%削減する。
同じく主力のコメ・シリアル商品「Rice Krispies」では、2018年1月に、砂糖含有量を10gから8gに20%削減、塩分を1.13gから1.0gに削減。「Rice Krispies Multi-Grain」では、2018年7月に、砂糖含有量を21gから15gに30%削減、塩分を0.38gから0.18gに50%削減する。
一方、砂糖コーティングを施したコメ・シリアル商品「Ricicles」は、2018年1月に販売中止となる。同商品は米国では「Frosted Rice Krispies」のブランドで販売されている。コーン・シリアル商品「Frosties」は、英国では商品パッケージで子供向けの販売訴求を止め、大人向け商品としてブランド展開していく。
上記商品では、ケロッグはすでに人工着色料の使用を止めているが、来年をかけて人工保存料の使用も止める。さらに、砂糖含有量なし、低塩分、オーガニックの新商品ブランド「WK Kellogg」を販売していく。同ブランドは、ベジタリアン向けとして位置づける。
この発表に対し、英食品NGOのAction on Sugarは、今回のケロッグの発表を高く評価。しかし、同時に人気の高い「Frosties」では砂糖含有量の削減をせず、子供向けブランディングを止めることのみを実施することを問題視している。Frostiesは、虎キャラクター「Tony the Tiger」でお馴染み。
ケロッグは、Frostiesでは子供向けのおまけ配布などは止めるとしているが、Tony the Tigerを使い続けるとしている。その理由について「Tony the Tigerは70年代から80年代のキャラクターで、現在20歳台から30歳台の大人とターゲットとしている」と説明している。しかし、Action on Sugarは、Frostiesの消費者層の約20%は子供とし、他の商品ブランドと同じく砂糖含有量を削減することを要望している。
【参照ページ】KELLOGG UK COMMITS TO MAKING BREAKFASTS HEALTHIER WITH THE LAUNCH OF ITS NEW BETTER STARTS PLAN
【参照ページ】Kellogg's commits to reducing sugar in its best-selling kids' cereals
【参照ページ】Kellogg's claims Frosties is an 'adult cereal' to get around children's sugar rules
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