国際環境NGO350.orgは12月7日、経済・金融学者らに化石燃料への投融資を停止(ダイベストメント)し、再生可能エネルギーへの投資を促進するよう呼びかける「気候ファイナンス宣言」を発表。すでに大学教授ら20ヶ国80名以上が賛同した。
同宣言は、科学者による気候変動対応同盟「気候科学者連盟(AWS)」に呼応する動き。AWSは今年10月23日までに気候変動への警鐘をならす論文への署名を呼びかけていた。署名は10月23日に打ち切られたが、それ以降も支持という形で実質的な署名活動は続き、すでに184ヶ国の科学者15,000名以上が署名や支持を行っている。
同宣言は、化石燃料への投資は環境に悪いだけでなく、財務的にも合理性がないとしている。国際エネルギー機関(IEA)は今後、気候変動対策のため世界各国で規制強化が行われる予測しており、化石燃料は「座礁資産」となり資産価値が縮小すると言われている。また、規制リスク以外にも、気候変動は様々な経済リスクを上昇させもする。
賛同者は、ジェフリー・サックス・コロンビア大学教授、ロバート・フロイントMITスローンスクール教授等。日本からは、西村六善・元地球環境問題担当特命全権大使、水口剛・高崎経済大学教授、明日香壽川・東北大学教授、西岡秀三・地球環境戦略研究機関(IGES)研究顧問の4名が賛同している。
水口氏は、「2℃目標を前提にすれば、新たな化石燃料の開発投資とは、長期的に見て座礁資産に投資することにほかならず、単に非倫理的なだけでなく、経済的にも不合理」とコメント。明日香氏も、「国連環境計画(UNEP)によると、現在、世界20カ国以上で約900の気候変動関連の訴訟が起きている。被告は国や企業であり、共に温暖化対策の不作為は大きな訴訟リスクを持つことを認識すべきだ。その意味で、化石燃料ビジネスへの投融資は完全にアウトである。時代は大きく変わっている」と話している。
【宣言】Declaration on Climate Finance
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