気候変動リスク保険推進国際イニシアチブInsuResilienceは11月14日、気候変動枠組み条約ボン会議(COP23)の場で、先進国・新興国と後進国の双方を巻き込んだ新たなパートナーシップ「InsuResilience Global Partnership for Climate and Disaster Risk Finance and Insurance Solutions」を発表した。InsuResilienceは2015年G7ドイツ・エルマウ・サミットで発足した新たなイニシアチブ。G7諸国政府が資金拠出し、世界銀行グループ、保険開発フォーラム(IDF)、世界食糧計画(WFP)、COP21パリ会議で発足したA2R Initiativeがパートナーとなっている。
今後起こり来る気候変動に対し、最も影響を受け脆弱な状態にあるのは新興国の人々だと言われている。現在、様々な機関の取り組みにより、後進国の貧困層1億人が気候変動リスク保険に加入できているが、InsuResilienceは、加入者を2020年までに4億人に広げることを掲げている。そのため、InsuResilienceは、直接保険サービスを提供したり、保険機関に資金供給をしたりしている。
今回発足した新たなグローバル・パートナーシップは、気候変動に脆弱な後進国49カ国が集まるV20と、G20諸国の双方を加え新たな活動を展開する。グローバル・パートナーシップでは、V20各国の実情に合わせた気候変動関連データやリスクの分析、技術支援やキャパシティ・ビルディング、金融・保険商品の設計・提供、進捗状況の評価を行う。構想には、太平洋、アフリカ、カリブ諸国の国家信用リスク(ソブリンリスク)を引き受ける保険プールも含まれる。保険スキームはマクロではなくミクロで、都市部の貧困者やその他脆弱性の高い人々を対象として設計される。
同パートナーシップの発足では、V20議長であるエチオピア、ドイツ、英国、世界銀行が主導。すでに今年7月に英国政府が3,000万ポンドの資金拠出を表明し、グローバル・パートナーシップの発足に合わせて、ドイツ連邦経済協力開発省も1億2,500万米ドルの拠出を表明した。その他、政府、NGO、国際機関、学会、産業界からも30以上の組織が支援と参画を表明している。
また、ボン会議では、国連気候変動枠組み条約事務局が、革新的な保険商品提供国と需要国をAIを使って効率的に結びつけるプラットフォーム「Clearing House for Risk Transfer」も発表している。
【参照ページ】Launch of InsuResilience Global Partnership to enhance financial protection against climate risks
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