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【EU】欧州議会とEU理事会、EU排出権取引制度強化で合意。法改正手続開始

 EU行政府の欧州委員会は11月9日、EU上院の役割を果たすEU理事会とEU下院の役割を果たす欧州議会が2030年までに二酸化炭素排出量を40%以上削減するというEUの約束草案(INDC)を実現するため2020年以降のEU二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)を改正することで暫定的に合意したと発表した。現在EU-ETSは、電力会社やエネルギー消費量の多い業界の事業所1万1,000以上に対しキャップ・アンド・トレード型の排出権取引制度を適用している。欧州委員会は、2015年からEU-ETSの改正に向けて交渉を進めていた。

 主な改正点は、

  • 排出削減を加速化し、排出権市場における中央銀行のような役割を果たす「市場安定化リザーブ」を強化し排出権価格の低水準を解消するための大規模な制度改革
  • 炭素漏出リスク等に対する欧州経済保護を強化する安全策の追加
  • 電力や経済界が低炭素型に移行するためのイノベーションや投資支援

 今回の改正が成立すると、現在、売買価格が低迷し機能不全に陥っている排出権取引市場が活性化し、企業の自主的削減努力が向上することが期待される。欧州委員会は今後、欧州議会とEU理事会での正式なEU-ETS指令の改正手続に入る。両者での可決後はEU官報で公開され、20日後に発効する予定。

【参照ページ】EU Emissions Trading System: landmark agreement between Parliament and Council delivers on EU's commitment to turn Paris Agreement into reality

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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