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【国際】「2050年までに水素が全世界エネルギーの2割供給可能」トヨタ、エア・リキード参画の水素協議会

 トヨタ自動車や本田技研工業、独ダイムラー、仏エア・リキード等が2017年1月に設立した「水素協議会(Hydrogen Council)」は11月13日、気候変動枠組み条約ボン会議(COP23)の場で、2050年までに水素エネルギーが世界の全エネルギー需要の約2割を賄えるとするレポートを発表した。同レポート作成では、戦略コンサルティング世界大手マッキンゼーが協力した。

 水素協議会は、水素を利用した新エネルギー移行に向けた共同ビジョンと長期目標を提唱する国際イニシアチブ。2017年1月17日に発足。トヨタ自動車と仏エア・リキードが共同議長。他の発足時参加企業は、本田技研工業、川崎重工業、韓国の現代自動車、独ダイムラー、独BMWグループ、仏アルストム、化学世界大手独リンデグループ、原油・ガス世界大手英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、仏電気・ガス大手エンジー、資源世界大手英アングロ・アメリカン。その後、岩谷産業、独アウディ、米GM、仏自動車部品大手プラスチックオムニウム、ノルウェー原油大手スタトイルも加わり、さらに賛助会員として三菱商事、三井物産、豊田通商、カナダHydrogenics、カナダBallard Power、米プラグ・パワー、米True Zero、米WLゴア&アソシエイツ、仏ファウレシア、伊Faber Cylindersが賛助会員として参画。水素協議会は、各国政府などに水素エネルギーの利用を働きかけ、5年間で100億ユーロ(約1兆3,000億円)を超える投資を計画している。

 今回のレポートでは、2050年までに世界の全エネルギー需要のうち約20%を水素エネルギーが供給でき、これにより現状より二酸化炭素排出量を年間6Gt削減できるとした。これは2016年の米国の排出量合計5.5Gtを上回る。また、パリ協定達成のために必要な削減量のうち20%を貢献できるとまとめた。また、2050年までの経済効果は2.5兆米ドル(約278兆円)で、合計3,000万人分の雇用創出効果があると試算した。

 水素エネルギーの需要面では、2030年までに水素エネルギーで動く燃料電池自動車(FCV)やトラックは1,000万台から1,500万台となると予測。さらに建物の暖房や工業加工等でも水素エネルギーが使われるようになると見通しを示した。水素の年間需要は2050年までに10倍となり、80EJまで向上。最終エネルギー消費に占める割合は2050年までに18%となるだろうと述べた。また、世界人口が2050年までに20億人以上増加した場合には、水素エネルギーが持続可能な成長を実現するカギとなるとの見方も示した。

 この実現に向けた投資額は、2030年まで毎年200億米ドルから250億米ドルが必要となり、合計で2,800億米ドル(約31兆円)。世界全体では毎年石油・ガス分野に6,500億米ドル、再生可能エネルギー電力に3,000億米ドル、自動車産業でも3,000億米ドル、エネルギー全体では合計1.7兆米ドルが投じられており、水素エネルギー分野に2030年までに2,800億米ドル投資することは実行可能だとした。

【参照ページ】HYDROGEN, SCALING UP – NEW ROADMAP LAUNCHES AT COP 23
【レポート】Hydrogen scaling up

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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