国連責任投資原則(PRI)は11月13日、金融投資理論の基盤となっている「現代ポートフォリオ理論(MPT)」の限界を示す研究テーマを幅広く募集すると発表した。現代ポートフォリオ理論は1952年にハリー・マーコウィッツが発表し、同氏はこの功績により1990年にノーベル経済学賞を受賞した。一方、責任投資は、市場の銘柄を選別したり、時価総額平均ではないポートフォリオを用いる投資手法であるため、現代ポートフォリオ理論と矛盾するところが少なくない。PRIは現代ポートフォリオ理論が責任投資を阻害する大きな要因とみている。
PRIは、責任投資の有効性を示していくため、優秀な論文テーマに対し1万ポンドの賞金を提供し、正式にCall For Papers(CFP:学術雑誌や学会への投稿論文および発表を依頼する文書)を出す。募集する論文テーマは、時間軸、パフォーマンスとインセンティブ、バリュエーション、プライシング、オーナーシップと情報など、幅広いテーマを受け付ける。PRIは実証研究と深い洞察を踏まえ、現代ポートフォリオ理論の限界を検証し、今日の社会にあるべき投資理論の可能性を新たに打ち立てていきたい考え。PRIは、学術研究者との結びつきを深める新たなオンラインプラットフォーム「Academic Network Online」を通じ、データ提供等を進めていく。
【参照ページ】PRI announces plans to reimagine, look beyond modern portfolio theory
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