欧州投資銀行(EIB)と中国人民銀行が発足した中国金融学会グリーンファイナンス専門委員会(CGFC)は11月11日、グリーンボンド市場の活性化に向け、グリーンボンド基準の比較分析白書を発行した。同白書では、比較対象として、国際開発銀行(MDB)や主要国の政府系開発銀行ネットワークである国際開発金融クラブ(IDFC)のグリーンボンド定義と、欧州投資銀行、中国政府の3つを扱った。
グリーンボンドの発行は、EUと中国が大半を占める。両者がグリーンボンド基準に関する新たな取組を始めれば、世界全体のグリーンボンド市場に大きな影響を与える。
中国では、グリーンボンドの管理統括機関が、中国人民銀行、中国銀行間市場取引者協会(NAFMII)、上海証券取引所、深圳証券取引所、国家発展改革委員の5機関に分かれている。それぞれ異なるグリーンボンド発行基準を持っているが、使途については全社4者は中国政府が制定した「グリーンボンドカタログ」を用いており、国家発展改革委員会管理のグリーンボンドのみが独自のカタログを使っている。EIBや国際開発銀行等のグリーンボンドは気候変動を対象にしているが、中国政府の「グリーンボンドカタログ」は広く環境一般を使途として定めており、さらに気候変動に限っても、クリーン石炭、超高圧送電網、都市地下パイプライン、未開発地域での産業施設建設時の省エネを使途として容認している。また、EIBと中国のものは原子力発電を使途として認めていないが、国際開発銀行等のものは容認している。
同白書は、今後EIB、中国政府、国際開発銀行等のグリーンボンド基準は統合させていく必要があると提言。そのために中国とEUの専門家によるワーキンググループの設置を求めた。また作業結果を国際的に普及している国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)にも共有していく必要があるだろうとした。
【参照ページ】Joint White Paper by China Green Finance Committee and EIB set to strengthen international Green Bond market
【白書】The need for a common language in Green Finance
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