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【国際】漁業認証MSC、世界漁業水揚量に占める割合が12%に向上。今後も増加見込み

 国際漁業NGOの海洋管理協議会(MSC)は10月18日、2017年度の年次報告書を発表。今年はMSC創設20週年。年次報告書には、20年間の道のりと今後の展望に関する内容も盛り込んだ。


(出所)MSC

 MSC認証には、漁業事業者が対象の「漁業認証」と加工・流通事業者が対象の「CoC認証」の二つがある。昨年度の漁業認証新規取得事業者は49。これにより漁業認証取得事業者数は34ヶ国315事業者となり、世界の漁業水揚量全体に占める割合は12%となった。欧米の主要魚種であるタラ(Cod)やコダラ(Haddock)は20世紀後半から水産資源量が激減し危機に瀕したことからMSC取得が進み、現在は世界全体で6割近くがMSCを取得している。ロブスターやエビもMSC取得が大きく進んでいる種。


(出所)MSC

 MSC漁業認証は、10年前の2006年には、北海・バルト海、アラスカ湾、アルゼンチン沿岸、アフリカ南西海岸、ニュージーランド周辺海域等に限られていたが、2016年にはオホーツク海、オーストラリア周辺海域、バレンツ海、スコシア大陸棚、南シナ海、アラビア海にまで広がりを見せてきている。一方、日本周辺海域、地中海、インドネシア周辺海域、ベンガル湾では取得が進んでいない。日本の漁業認証取得事業者は2017年4月現在、わずか3。


(出所)MSC

 一方、CoC認証取得は欧米を中心に大きく増えてきている。世界全体のCoC取得事業者は94ヶ国3,735で、昨年から16%増の518増えた。最も取得が多いのは米国の419。2位はドイツ318。3位には意外かもしれないが中国の301。その後は、英国247、オランダ241、ノルウェー219、カナダ215、フランス178、デンマーク150、アイスランド131、スウェーデン130、スペイン126と再び欧米諸国が続く。日本はアジアでは中国に次ぐ2番目の113。


(出所)MSC

 CoC認証取得が進んだことで、MSCラベル表示の商品も増えた。現在世界全体のMSCラベル商品数は約25,000。昨年から4,000以上増えた。MSCラベル商品の消費量は73万t、金額では56億米ドル(約6,400億円)に相当する。商品数が最も多いのはドイツ。英国、フランス、オランダ、デンマーク、スウェーデンでは近年増加率が高い。

 MSCは、中長期目標として、世界全体の漁業水揚量のMSC認証取得率を2020年までに20%、2030年までに3分の1にすることを掲げている。MSC認証は一度取得した後も管理体制のチェックが続く。取得継続のために改善事項要求をされた取得者は94%に上る。

【参照ページ】20 years on over 400 fisheries engaged with the MSC
【報告書】Annual Report 2016–17

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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