カナダ・ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は10月18日、気候変動投資戦略を発表した。気候変動対応を全てのポートフォリオに導入し、具体的な数値目標とアクションプランを設定していく。CDPQはカナダ第2位の年金基金。主に公務員年金基金、公務員共済基金、公的保険基金の資産を運用しており、運用資産総額は約2,860億カナダドル(約25兆円)。
同社の気候変動投資戦略はまず、気候変動リスクをその他の投資リスクと同様に扱い、気候変動リスクの高い分野への投資はやめる。同時に投資リターンは2025年間の8年間高い水準を追求する。CDPQによると、例えば2025年までに資産を60%増加させることができれば、気候変動リスクの低い分野に1,700億カナダドル(約15兆円)を新たに投資していくことになる。
さらに注力投資分野として、再生可能エネルギー等の低炭素投資を設定。まず2020年までの短期目標として、同分野への投資額を50%増加し、新たに80億カナダドル(約7,000億円)を投資する。また2025年までの中期目標として、ポートフォリオ全体の運用額当たりの二酸化炭素排出量を25%削減する。運用ポートフォリオ全体での二酸化炭素排出量削減目標を設定するのは北米では初。さらに、二酸化炭素排出量の多い業界への投資を削減する。削減対象分野の例として石炭を挙げた。
CDPQは、2017年から、アニュアルレポートの中で、ポートフォリオの二酸化炭素排出量を開示していくことも表明。さらに気候変動投資戦略の進捗状況も同時に報告していく。
【参照ページ】CDPQ announces investment strategy to address climate change
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