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【デンマーク】年金基金大手Sampension、イスラエル入植ビジネス関与の企業4社を投資除外指定

 デンマーク規模第3位の年金基金Sampensionは10月2日、人権侵害への関与があると判断されて企業4社を投資先から除外すると発表した。除外されるのは、イスラエル銀行のHapoalimとLeumi、イスラエル通信ベゼック、独セメント大手ハイデルベルグセメント。いずれもパレスチナ域内のイスラエル入植地内で事業活動を実施したことが理由。Sampensionは今年、ESG投資方針を拡大し、気候変動、人権、アクティブオーナーシップ等に積極的に取り組むことを決定した。

 Sampensionは、事務職・専門職が加盟する職業年金基金。運用資産総額は約2,700億デンマーク・クローネ(約5.2兆円)。投資先企業は約1,600社。そのうちデンマーク企業は40社しかない。

 イスラエルのパレスチナ入植問題は、欧州では非常にセンシティブな問題になっており、機関投資家や事業会社の意思決定にも影響を及ぼし始めている。入植地での事業展開は、入植を既成事実化することへの協力行為とみなされ、人権侵害と判断されるためだ。今回のSampensionの投資除外決定も、デンマークNGOのDanwatchが今年1月、デンマークの年金基金が入植ビジネスに関与していると報告したことが直接の原因となった。投資除外決定の前には、31回のダイアログも実施した。入植ビジネスに関しては、ESG調査会社VigeoEirisが、BIOL(Business in Occupied Lands)データベースを提供しており、Sampensionも活用した。追加で入植ビジネスが疑われるグローバル企業6社についても現在分析を進めている。

 気候変動面では、2011年にIIGCCに加盟し、2016年のパリ協定発効以降は、投資ポリシーの中に2℃目標に合わせた気候変動目標を設定、2017年1月から運用を実施している。また、アクティブオーナシップを強化するため、来年から株式指数「Danish OMX C25」採用銘柄企業と株式保有比率3%を超えるデンマーク及び海外企業の株主総会に出席し、議決権を行使することも決めた。集団的エンゲージメントや集団的議決権行使にも参加していく。

 その他、ESGインテグレーションを推し進めるため、NGOとのダイアログを強化。また、来年、経済協力開発機構(OECD)が2017年に定めたガイドライン「機関投資家のための責任ある企業行動(RBC for Institutional Investors)」を同基金の責任投資方針の中に盛り込む。

【参照ページ】Sampension expands policy and practice for responsible investments
【参照ページ】Pension Fund blacklists four companies after Danwatch investigation
【ガイドライン】機関投資家のための責任あるビジネスコード

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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