米小売大手ターゲットは10月4日、アパレル製品、家具、生活用品のPB商品および同社向け限定商品に使われるコットンを、2022年までにサステナブル・コットン100%にすると発表した。そのため、コットン調達方針を新たに公表した。水生産性、化学肥料利用、土壌における環境負荷を低減し、労働環境の改善も実施する。ターゲットは全米でも有数の綿製品取扱企業。同社がサプライチェーン改善に乗り出したことは大きな影響力がある。
同社は2016年11月14日、2020年までに「労働者のウェルビーイング改善」「製造プロセスの純環境インパクトをプラスに」「持続可能な原材料」の3分野を改善するコミットメントを宣言した。その後約1年をかけて、紙・木材製品、化学物質、包装パッケージ、強制労働の撲滅の分野での現状分析と対策設定を進めてきた。最新状況は、同社の最新のサステナビリティ報告書でも公表されている。ターゲットは、次のステップとして、綿花に着目し、今回サステナブル・コットンへの取組を開始した。
サステナブル・コットンは、世の中に明確な定義はない。そのため同社は、過去数年コットンの専門チームを世界各地に派遣し、現状把握に努めてきた。チームは、アフリカやインドの小規模農家から大規模商業農業を訪問。また、米国では最先端テクノロジーで大規模に生産されている状況も理解した。その結果、綿花生産性を向上し農家の生活を守るためには、データや技術へのアクセス、政府や地方機関からの支援、生産方法の教育等が不可欠となりつつも、現状はそれとは程遠いと認識した。
サステナブル・コットン100%を実現するため、まず、サプライヤーと協力し、サプライチェーンマップを作成。綿花の生産地を把握する。次に、生産農家の改善に乗り出す。サステナブル・コットンの定義では、ベター・コットン・イニシアチブ(BCI)やOrgnic、Cotton LEADSを始めとした既存のイニシアチブと協働しつつもそれに依存せず、自社での高い基準作りを進める。そして、パートナー企業や機関と協力し、必要な技術開発も進めていく。すでに同社は、宇宙科学進歩センター(CASIS)や国際宇宙ステーション(ISS)と綿花生産に関する技術開発でパートナーシップを結んだ。
【参照ページ】This Team Traveled the Globe to Kick off Target’s New Sustainable Cotton Sourcing Goal
【方針】TARGET’S SUSTAINABLE SOURCING POLICY FOR COTTON PRODUCTS
【コミットメント】Target’s Kelly Caruso Talks Going Big in Responsible Sourcing and Sustainable Design
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