保険世界大手英アクサ、英ゼネラリ、独アリアンツの米損害保険子会社Allianz Global Corporate & Specialty、独Hanseatic Underwriters、英Shipowners’ Clubは10月6日、持続可能な海洋保険に関する業界初の共同声明署名活動を開始した。共同声明では、違法(Illegal)、無報告(Unreported)、無規制(Unregulated)に行なわれる「IUU漁業」への関与でブラックリスト入りした船舶に対する保険サービス提供を拒否することをコミットしている。世界中の保険会社から広く署名を募っている。
IUU漁業は、世界的に蔓延している大きな課題となっており、経済損失は違法漁業だけで年間100億米ドル、無報告行で年間235億米ドルと言われている。水産資源量に換算するとそれぞれ1,100万tと2,600万tに相当する。IUU漁業は、国際的な規制を掻い潜って操業しており、乱獲、海洋生物や生態系の破壊の原因となっている。そのため通常の漁業事業者の操業の妨げにもなっている。
今回の共同声明は、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が推進する保険業界のイニシアチブ「持続可能な保険原則(PSI)」と、2001年設立の国際海洋保全NGOのOCEANA(ワシントンD.C.に本部)が音頭を取り発足。すでに世界の保険会社16社が署名した。共同声明は、署名企業に対し、IUU漁業関与船舶に保険サービスを提供しないよう適切なリスクマネジメント手続やデューデリジェンス手続を実施することを求めている。
すでに署名した企業は、冒頭の5社のほか、英Tokio Marine Kiln Group、英British Marine、英Ramon International Insurance Brokers 、蘭FATUM Schadeverzekering、ノルウェーGard、ノルウェーTromstrygd Gjensidig Sjøforsikringsselskap、ノルウェーMøretrygd
Gjensidig Forsikring、ブラジルFIDES、南アフリカSantam、フィリピンNational Reinsurance Corporation of the Philippines。また、南アフリカの保険業界団体South African Insurance Association(SAIA)、イタリアのItalian Banking, Insurance and Finance Federation(FeBAF)、サステナブル保険運営推進米Certified Sustainable Insurance Partners、海洋データ提供会社Windward、海洋保全NGOのThe Fish Tracker Initiativeも活動支援機関として署名した。
【参照ページ】Global insurers unite to cut financial lifeline to pirate fishing
【機関サイト】Assisting ocean stewardship through marine insurance
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