電子機器大手米HPは9月20日、発展途上国の学校等にオンライン教材やアプリを提供する機器「HPスクール・クラウド」を発表した。HPスクール・クラウドは、高機能の無線ルーターとファイルサーバーの2つで構成されており、導入することで教材等が整っていない学校でも世界中の教材にアクセスできるようになる。HPはインテルと連携して発展途上国内1,700校に無償導入する計画。
HPスクール・クラウドでは、ライス大学を中心に活動している米教育NGOのOpentaxが提供している教科書にアクセスができる。Openstaxは教材製作者同氏で相互に内容をチェックしながら制作されているオンライン教科書で、すでに150万人の人に利用されている。数学、自然科学、社会科学を中心に用意されている教科書は数百万。数千の授業も閲覧可能。インターネットにアクセスできない環境でも、デバイスにダウンロードをしておけば同じように教材を閲覧できる。HPスクール・クラウドは今後、さらに教科書提供パートナーを増やすていく予定。また全ての教材は、UNESCO(国連教育科学文化機関)やOECD(経済協力開発機構)等が提唱する教育基準に準拠している。教師向けには、完全にプライバシーを確保した状態で、生徒一人ひとりの進捗状況を管理できる機能も搭載している。
HPは、まずケニアのキルグロス地域やマラウィの学校で試験展開し最終調整を行った上で、2018年に本格展開を開始する予定。中期目標は2020年までに100万人の生徒に教材を届けること。そのため、教育NGOのGlobal Business Coalition for EducationやEducation Cannot Waitと連携して同サービスを必要とする地域や学校を洗い出していく。
HPは教育の分野に力を入れており、2017年4月にはマイクロソフトと共同で、ITスキルや起業スキルを教育する「AppFactory」を、マラウィのザレカ難民キャンプで開始した。また、9月には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOのInZone、CAREと連携し、ヨルダンのアズラク難民キャンプとアンマンにIT教育を提供する「HP Learning Studios」を開設した。目下、アラズクの市街地に3ヶ所を建設する予定。先日の国連総会では、HPは、マイクロソフト、インテル、Digital Promise Global、Global Business Coalition for Educationと協働で、同様の学習スタジオをヨルダンとレバノンに開設することを宣言した。
【参照ページ】HP Reinvents Learning in the Developing World
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら