国連の第9回民間セクター・フォーラム(UN Private Sector Forum)が9月18日、ニューヨークで開催され、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けたファイナンスに関する新たなアプローチが採択された。同フォーラムは、2008年に当時の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の呼びかけで始まり、政府間討議に民間セクターの声を届けるため、毎年開催されている。今年は、国家主席、州政府トップ、企業CEO、NGOトップなど300人以上が参加。テーマは「SDGs達成のためのファイナンス」だった。
今回採択されたのは、「Guide to Unlocking Prosperity: Finance, Investment and Sustainable Development」。SDGs達成に向けたファイナンスのための原則がまとめられている。原則をまとめたのは、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、UNEP FI(国連環境計画金融イニシアチブ)、UNCTAD(国連貿易開発会議)、PRI(国連責任投資原則)、国連経済社会局(DESA)、国連基金、国際商業会議所(ICC)。
(出所)Guide to Unlocking Prosperity: Finance, Investment and Sustainable Development
同ガイダンスは、機関投資家に対し、長期投資の追求やSDGsやESGを意識した投資、持続可能な証券取引所イニシアチブ(SSE)への支持、環境・社会リターンの考慮などを求めた。また、銀行・保険・取引所に対しては、ファイナンス先のプロジェクトの環境・社会リスクの評価・管理、エクエーター原則等の採用、UNEP FIの「Principles for Positive Impact Finance」への支持、SDGsボンド市場の活性化、SDGs達成に向けた新たな金融商品の開発を求めた。基金に対しては、寄付金提供時のSDGsへの配慮、長期投資の追求、寄付インパクトの評価などを求めた。企業に対しても、SDGsを意識した企業投資や外国直接投資(FDI)等を求めた。
同フォーラムの中では、企業25社からの発表もあり、金融大手ピムコは、企業のSDGsボンドの発行を手がけていくことを表明。ハーミーズ・インベストメント・マネジメントは、二酸化炭素排出量の多い企業へのエンゲージメント強化を打ち出した。仏公的年金基金FRRは、環境インフラや生態系分野への投資を増やしていくことを明らかにした。
【参照ページ】UN Secretary-General and Global CEOs Accelerate Shift to Sustainable Finance
【アプローチ】Guide to Unlocking Prosperity: Finance, Investment and Sustainable Development
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