ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(WEF)は9月26日、各国の国際競争力ランキングである「Global Competitiveness Report 2017-2018(2017-2018 世界競争力レポート)」を発表した。世界的に有名な競争力の国別ランキングでは、同ランキングとスイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表する「IMD World Competitiveness Ranking(IMD世界競争力ランキング)」の2つがある。世界経済フォーラムのランキングは、生産性を決定する要素12中項目、100以上の小項目を評価したもの。今年は137ヶ国が対象となった。
WEF世界競争力ランキング
(括弧内)は昨年順位
1位(1位) スイス
2位(3位) 米国
3位(2位) シンガポール
4位(4位) オランダ
5位(5位) ドイツ
6位(9位) 香港
7位(6位) スウェーデン
8位(7位) 英国
9位(8位) 日本
10位(10位)フィンランド
11位(11位)ノルウェー
12位(12位)デンマーク
13位(13位)ニュージーランド
14位(15位)カナダ
15位(14位)台湾
今年の首位は6年連続でスイス。スイスは、中項目「市場規模」では世界39位とトップクラスではないが、それ以外の11の中項目はいずれも8位以内に入っている。特に大項目「イノベーション」を構成する2つの中項目「ビジネスの洗練度」「イノベーションは」はともに1位。それ他、「労働市場の効率性」でも1位。総じて競争力を構成する諸要素の評価が高いことから総合首位となっている。
今年は米国がシンガポールを抜き2位となった。米国は中項目レベルで1位をとったものはないが、大項目「イノベーション」を構成する2つの中項目「ビジネスの洗練度」「イノベーションは」はともにスイスに次ぎ2位。「金融市場の発展」「市場規模」でも2位(市場規模1位は中国)。一方「マクロ経済環境」は83位と低く、「初等教育・保健衛生」「制度的環境」も20位以下と伸び悩んでいる。その他、15位以内の顔ぶれは昨年と同じだった。
日本は、8位から9位に順位を下げた。日本のここ数年の順位変遷としては、8位(2009年)、6位(2010年)、9位(2011年)、10位(2012年)、9位(2013年)、6位(2014年)、6位(2015年)、8位(2016年)、9位(2017年)。2013年から6位に浮上していたが、近年じわじわと順位を下げている。日本は、中項目で1位、2位のものはないが、「ビジネスの洗練度」でスイス、米国に次ぎ3位。「市場規模」と「インフラ整備」で4位、「初等教育・保健衛生」で7位と高位だが、それ以外はいずれも振るわず、「マクロ経済環境」は93位と非常に低く、とりわけ構成要素の一つ「政府負債」が137位とひどい。
同報告書では、金融業の脆弱性が依然続いている点を不安視しつつ、経済成長にはイノベーションが必要だと強調した。また、経済成長は、究極のゴールではないが、経済成長は、経済利益の幅広い分配、環境のサステナビリティ、世代間平等等の価値観を含む様々な観点で評価されべきだとまとめた。
【参照ページ】These are the world's 10 most competitive economies
【ランキング】Global Competitiveness Index 2017-2018
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