国連責任投資原則(PRI)と、気候変動対応を企業に求める4つの世界機関投資家団体である欧州のIIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)、米国のINCR(Investor Network on Climate Risk)を運営するCeres、オーストラリア・ニュージランドのIGCC(Investors Group on Climate Change)、アジアのAIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)は9月28日、気候変動対応を世界規模で推進するための新たな5カ年イニシアチブ「Climate Action 100+」を発足させた。
今回のイニシアチブは、各機関が結束し、機関投資家が企業への集団的エンゲージメントを行うためのもの。企業への要求事項は主に3つ。まず、二酸化炭素排出量を削減し、パリ協定で国際合意に達した2℃目標へのコミットメント。次に、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)がまとめたガイドラインや、上記気候変動対応要求4団体で構成するGIC(Global Investor Coalition on Climate Change)が作成する各業種向けの気候変動情報開示ガイダンスに沿う情報開示。そして、気候変動に関する取締役会の説明責任と監視を確実に遂行するための強力なガバナンス体制の構築。
【参考】【国際】金融安定理事会のタスクフォース(TCFD)、気候変動関連財務情報開示の最終報告書を発表(2017年6月29日)
【参考】【国際】GIC、石油ガス世界大手10社への集団的エンゲージメント結果と今後の課題を報告(2017年5月25日)
同イニシアチブは、企業を評価するための尺度として、CDPのデータを用いる。また、他の国際環境NGOとも連携していく。まずは、二酸化炭素排出量の多い企業に焦点を当てる。
Climate Action 100+のステアリング・コミッティー(運営事務局)は、発足5機関のほか、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、AustralianSuper、Ircantecなど世界的な機関投資家が務める。同イニシアチブは、幅広い機関投資家からの参加を求めており、今年10月中旬より同イニシアチブに参加するための手続き書類がホームページ上で公開される。
これまでも機関投資家コミュニティーが、企業に気候変動情報開示を求めるイニシアチブは発足してきたが、今回のイニシアチブは規模が格別。PRIとGIC構成4団体が結束したことで、影響力は巨大だ。
【機関サイト】Climate Action 100+
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