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【日本】反捕鯨NGOシーシェパード、日本捕鯨船に対する妨害活動を断念

 捕鯨反対国際NGOシーシェパードのポール・ワトソン代表は8月29日、日本の南極海における捕鯨活動を今後は妨害しないと発表した。日本の捕鯨船が、軍事レベルの監視設備を備え、シーシェパードの妨害を回避できるようになっているため、日本の捕鯨船に対抗できないと判断した。ワトソン代表は、今回の発表の中で、反捕鯨を表明している米国、オーストラリア、ニュージーランド政府が、シーシェパードの日本捕鯨妨害活動を邪魔し、日本の捕鯨を支援していることについても批判を繰り広げた。

 シーシェパードは、2005年から日本の捕鯨船に対する妨害を展開してきた。商業捕鯨は、国際捕鯨委員会(IWC)により1982年に禁止され、以降反捕鯨の立場を取る政府も増えてきている。日本政府は、IWCによる商業捕鯨禁止が無効であり、かつ現状の捕鯨活動は商業捕鯨ではなく調査捕鯨だとする立場をとってきたが、2014年に国際司法裁判所により、当時の日本の捕鯨は実質的に商業捕鯨だと認定され、政策の再考を余儀なくされた。しかし、日本政府は、その後も「調査捕鯨」そのものは続行することを決めている。

 シーシェパードは、今回の妨害活動断念の背景について、日本の捕鯨船が軍事技術を用いたシーシェパード船舶の追跡を行っており日本の捕鯨船を捕捉することが困難であること、対抗するのに必要な十分な予算を持たないこと、また最近日本で制定された組織的犯罪処罰法改正(共謀罪)がシーシェパードの活動を困難にしていること挙げた。

 日本の南極海捕鯨を巡っては、国際司法裁判所判決後も議論を巻き起こしており、2015年には国際動物保護団体がオーストラリアの連邦裁判所に活動停止を求めて訴訟。同裁判所は捕鯨船団に対して100万オーストラリアドルの罰金を命じた。また、ニュージランド外務大臣も、引き続き日本政府が捕鯨活動に補助金を出していることについてIWC決議違反だと指摘している。オーストラリア、ニュージーランドともに、米国、オランダ政府も2016年、共同声明を発し、日本政府が国際司法裁判所判決を無視して商業捕鯨を続けていると批判した。一方日本の海上保安庁は、シーシェパードのワトソン代表を、インターポール(国際刑事警察機構)を通じて国際指名手配する対抗措置をとっている。

 ワトソン代表が行ったオーストラリア、ニュージランド、米国政府に対する批判については、シーシェパードの船舶がオーストラリアの港に停泊すれば政府に調査され、また外国人船員へのビザ発給も滞りがちであること。オーストラリア政府に対し、過去10年シーシェパードを慈善団体として登録するよう訴えているが実現されないこと。オーストリア政府は、日本捕鯨への対抗措置として、衛星を通じて日本捕鯨船団を監視し、シーシェパードに情報を提供できるのに実施しないこと。また米国では、物理的に捕鯨船を攻撃したとして罰金を命じられたことなどを挙げた。

 シーシェパードは、過去12年間の活動で6,500頭の鯨を捕鯨から保護することに貢献したと主張。中でも、ザトウクジラの捕鯨はゼロ、ナガスクジラも10頭しか捕獲されていないという。シーシェパードは、反捕鯨活動の新たな計画を策定するという。

【参考ページ】Sea Shepherd says it will abandon pursuit of Japanese whalers
【参考ページ】Sea Shepherd to suspend pursuit of Japanese whalers
【参考ページ】Sea Shepherd US settles Japan whaling case
【参考ページ】Sea Shepherd permanently abandons Antarctic whale wars with Japanese boats
【参考ページ】Sea Shepherd bails on whale fight

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