金融インデックス開発世界大手S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは9月7日、Dow Jones Sustainability Induces(DJSI)シリーズの銘柄評価機関の役割を担っているRobecoSAMとともに、2017年のDJSIシリーズの年間分析結果および採用銘柄入れ替えを発表した。全構成319銘柄も9月11日に公表された。銘柄入れ替えは9月18日から有効となる。
DJSIシリーズは、1999年に誕生して以来、ESGインデックスの老舗として存在感を示してきている。DJSIシリーズは最新のRobecoSAMの企業評価「Corporate Sustainability Assessment(CSA)」に基づき、年に1度銘柄入れ替えを行っている。今回実施されたCSAでは、新たに政治献金等、政府との関わり方、社会インパクト評価の実施等に関する要素が追加された。また、コーポレートガバナンス、サプライチェーン、人権に関する設問でも修正がなされた。
DJSIシリーズには、先進国・新興国双方対象の「DJSI World」、北米地域対象の「DJSI North America」、欧州地域対象の「DJSI Europe」、アジア太平洋地域対象の「DJSI Asia Pacific」など8種類ある。その中でも最も注目を集めているのは、DJSI World。
今年のDJSI Worldの銘柄入れ替えでは、サムスン電子、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、ASMLホールディング等の銘柄が新たに採用された一方、米ダコタ・アクセス・パイプラインで社会問題化したEnbridge、韓国で「殺人加湿器」問題を引き起こしたレキットベンキーザー、資源採掘大手リオ・ティント等の銘柄が除外された。サムスン電子、ブリティッシュ・アメリカン・タバコは昨年に銘柄選定から除外されており、1年ぶりにDJSI Worldに採用された。
DJSI Worldに新たに採用された日本企業は、本田技研工業、マツダ、凸版印刷、カシオ計算機、三菱ケミカルホールディングス、第一三共、NTTデータ、オムロン、NTTドコモ、ANAホールディングス、大阪ガス。また、昨年に引き続き採用されたのは、ブリヂストン、伊藤忠商事、小松製作所、丸紅、三井物産、ナブテスコ、積水化学工業、積水ハウス、ベネッセホールディングス、大和証券グループ本社、野村ホールディングス、国際石油開発帝石、味の素、シスメックス、花王、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、損保ホールディングス、東京海上ホールディングス、富士通、日立製作所、コニカミノルタ。日本企業の採用は合計32社で、昨年の26社から6社増えた。一方、昨年採用されていたが今年採用されなかったのは、日産自動車、イオン、TOTO、パナソニック、富士フィルムホールディングスの5社。
RobecoSAMは発表にあたり、多くの企業が国連持続可能な開発目標(SDGs)等により環境・社会要因がもたらす企業への財務影響を理解する必要があることを認識しつつあるものの、まだ具体的なインパクト評価までを行えている企業は10%未満に留まると指摘。今後は、インパクト評価にスポットライトが当たっていきそうだ。
【参照ページ】Results Announced for 2017 Dow Jones Sustainability Indices Review
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