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【メキシコ】S&P、メキシコシティ新国際空港建設でのグリーンボンド発行で、最高評価付与

 信用格付世界大手S&Pグローバル・レーティングは7月27日、メキシコシティの新空港建設プロジェクト用の担保月シニア債を、同社のグリーンボンド評価サービス「グリーン評価スコア」で最高ランクのE1(77点)と評価した。発行主体は、同プロジェクトの建設を担うメキコシティ・エアポート・トラストで、発行総額は60億米ドル。S&Pグローバル・レーティングは、そのうち評価対象である98%分について評価を行った。「グリーン評価スコア」では、E1からE4のランクで評価される。

 メキシコシティでは現在、新国際空港が建設中で、同債権はプロジェクト費用の一部となる。担保付シニア債は、最低3種類のトランシェ(優先順位に差をつけた複数種類債券)を予定しており、2020年までに総額60億米ドル発行する計画。償還期間は5年から20年を超えるものまで複数発行される予定。そのうち20億米ドル分は2016年9月に発行済。建設に要する残り70億米ドルは、メキシコ政府が拠出する。

 同社が今回評価対象としたのは、「グリーン評価スコア」の分析対象用途となっている98%分。それには、グリーンビルディング、太陽光発電、施設の省エネ、エネルギー不要の廃水管理、水消費効率向上が該当する。残り2%の用途となっている廃棄物処理は、同スコア評価の分析対象外のため、評価されなかった。また、「グリーン評価スコア」では、環境用途以外にも、発行体の透明性とガバナンスも評価対象となる。

 メキシコシティのの新国際空港は、グリーンビルディング認証のLEEDでプラチナ評価を世界の空港で初めて取得。また、空港では珍しくカーボン・ニュートラルな運営を目指している。そのため、同空港は再生可能エネルギーの利用、エネルギー使用量の削減、施設内での水再利用などの施策を導入しようとしている。

 債券発行に当っては、調達額と資金用途は明確に紐付いているものの、債券と政府出資の資金源毎には支払い項目が紐づけられていない。そのため、最終的に債券発行による資金調達分と用途との紐付けについて、グリーンプロジェクトとはみなされない項目や、「グリーン評価スコア」の対象外用途に使われる可能性もある。そのため、新国際空港建設主体は、建設期間中四半期毎にグリーンプロジェクトへの資金振り分け状況を報告することを約束している。今回、S&PがE1の最高評価をつけたのは、このような透明性への姿勢も評価したため。

 上記の報告に加え、建設プロジェクトは、メキシコの環境天然資源省(SEMARNAT)や、エクエーター原則、国際金融公社(IFC)の環境と社会の持続可能性に関するパフォーマンス基準のガイドラインに沿って、四半期毎に環境インパクト(電気・燃料・水使用量、エネルギー使用削減量、CO2・温室効果ガス排出削減量など)に関する報告を行うことにもなっている。

【参照ページ】Mexico City Airport Trust's Senior Secured Bonds Receive E1/77 Green Evaluation Score
【参照ページ】Mexico City Airport Trust

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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