カナダ保健省は7月24日、食生活に関するガイドラインを更新し、植物性食品の摂食を推奨する一方、食塩に含まれるナトリウム、砂糖、飽和脂肪酸の摂取を制限すべきとする内容を盛り込んだ。その一環で乳製品が推奨食品から除外されたが、子供に関しては栄養分が豊富な均質化乳(一般的に市販されている牛乳)は採るべきだと推奨した。
同ガイドラインは、動物性食品から植物性食品へのシフトを推奨している。とりわけ、野菜、果物、全粒穀物、豆類など高タンパク質植物性食品を強く推奨した。一方、ナトリウムや飽和脂肪酸を含む食材は「限定的な摂取」、砂糖を多く含む加工品は「避けるべき」だとした。しかし、ベジタリアン(菜食主義者)になることを求めているわけではなく、動物性食品の中でも、ナトリウムや飽和脂肪酸の含有量が比較的少ない卵、魚介類、鶏肉、赤身肉、低脂肪乳、低糖ヨーグルト、チーズは常食にしても良いとした。また新ガイドラインは、動物性食品から植物性食品にシフトすることが、環境負荷が低いことにも言及した。
カナダは、世界有数の牛肉生産国で、国内には約6万の牧場がある。産業規模は262億ドルに上る。それにもかかわらず、今回カナダ政府が肉や乳製品の摂食を制限するよう呼びかけたことが注目を集めている。政府が動物性食品から植物性食品へのシフトを訴えた国は、カナダが初めてではなく、オランダやブラジルも同様のガイドラインも発表している。オランダ政府は、ガイドラインで一週間の肉の消費量を500g以下に抑え、植物性食品を多く摂取するべきだと呼びかけた。ブラジルは、全粒穀物や野菜、果物を食事の中心に据え、ときどき鶏肉や魚を採るべきと推奨。一方、ピクルスやチーズ、パン等加工食品の摂取は限定的にし、甘いシリアルやソフトドリンク、即席麺は避けるべきだとした。
【ガイドライン】Guiding Principles
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