国連責任投資原則(PRI)は7月21日、国連持続可能な開発目標(SDGs)に焦点を当てた新たなワーキンググループを二つ立ち上げると発表した。一つ目のワーキンググループは、SDGsを考慮に入れたアセットアロケーション(資産配分)の検討。もう一つは、ESG投資とアクティブ・オーナーシップ(積極的株主行動)の検討。現在、参加したいPRI署名機関を募っており、締切は今年9月11日。
PRIは、SDGs検討の第一弾として、コンサルティング大手PwCと協働で、SDGsとESG投資の関連性を整理する報告書を作成しており、今年9月に開催されるPRI年次総会で発表される見込み。今回、発表のワーキンググープは、後続の第二弾として、ESG投資の中にSDGsを位置づけていく手法を検討していく。
アセットアローケーションに関するワーキンググループでは、アセットアロケーションの意思決定の中にSDGsを位置づけられるかの可否、及び可能な場合の手法について検討していく。検討結果は、PRIのアセットオーナー諮問委員会(Asset owner insight advisory committee)とSDG諮問委員会(ESG engagements advisory committee)の双方に報告される。
アクティブ・オーナーシップに関するワーキンググループでは、SDGsを活用したアクティブ・オーナーシップのあり方を検討する。従来、ESG投資の文脈においてはアクティブ・オーナーシップは、投資先企業のESGリスク管理を重視してきたが、SDGsではリスク管理だけでなく、新たな事業機会の追求にも焦点が当たっているため、同ワーキンググループでは主にSDGsがもたらす事業機会とアクティブオーナーシップの関係に焦点を当てる。また、アクティブオーナーシップでは、株式投資だけでなく社債投資も検討の対象に含める。最終的には、報告書の中で、SDG投資エンゲージメントとESG投資エンゲージメントは異なるものになるのか、SDGsをどのようにアクティブオーナーシップ活動の中に組み入れるのか、どのようなツールが現在利用可能加、成功をどう測定するのかについて答えていく。
双方のワーキンググループは、それぞれ15名から20名で構成。PRIスタッフが運営をサポートする。参加者には、定期ミーティングへの参加、ケーススタディの提供、報告書案に関するコメントやフィードバックなどが求められる。参加者は、PRI署名機関の3つのカテゴリーであるアセットオーナー、運用会社、サービスプロバイダーのいずれでも可。
【参照ページ】The PRI is recruiting for two new working groups looking at the SDGs: asset allocation and active ownership
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