運用世界大手英シュローダーのサステナビリティチームは7月17日、現状のままでは世界の平均気温は4度以上上昇し、パリ協定で国際合意に至った2度上昇に留めることが困難であるとの見解を示した。同社は、独自の分析ツール「Climate Progress Dashboard」を用いて、世界全体の政治や産業、技術、エネルギー等12の指標を定めモニタリングしている。
シュローダーは、同ツールを、投資家等が客観的な視点で気候変動のリスクと機会を把握できるよう開発。例えば、「Political Ambition(政治的野望)」指標では、各国政府が二酸化炭素の排出抑制にどれだけコミットしているかを見ている。シュローダーの分析によれば、現在の状況では平均気温上昇は2.8度になるという。また、「Political Action(政治アクション)」では各国政府が目標に対してどれだけ行動を起こしているかを見ており、現在の取組状況では気温上昇は3.6度に達する。
同社の分析では、とりわけ気候変動抑制の対応が進んでいないのが石油ガス産業。現状のままでは気温上昇が6度になると見立てられており、化石燃料使用のさらなる抑制が必要となることが明らかとなった。一方、気候変動で槍玉に上がりやすい石炭生産については数値が減少傾向を示し始め、産業界が石炭についてのアクションを開始していることもわかった。
地球社会は、2050年までに二酸化炭素排出量を80%抑制する必要がある一方、その間に世界の所得は3倍に増えると予想されている。豊かな生活と地球環境を守るために、データに基づいた適切なアクションが求められている。
【参照ページ】Climate Progress Dashboard forecasts global warming of more than 4°C
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