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【南極】ラーセンC棚氷、南極大陸から分離。東京23区の9倍の面積、厚さは東京タワーに匹敵

 南極大陸のラーセンC棚氷の一部が7月12日、南極大陸から分離した。同地の状況を注視、研究してきた英スウォンジー大学を中心とするチーム「MIDAS」が発表した。米航空宇宙局(NASA)の観測衛星「Aqua MODIS」でも分離が確認された。ラーセンC棚氷は、東京23区の9倍以上となる約5,800km2。巨大な氷の島が、南極海での漂流を始める。

 ラーセンC棚氷は、南極大陸の中でチリやアルゼンチン側に近い南極半島の東岸に位置する。棚氷とは、陸上に形成された氷が徐々に海側に押し出され、海に突き出た氷の部分を指す。ラーセンC棚氷の厚さは200mから350mもあり、高さにすると東京タワーを上回るところもある。また、名称にある「ラーセン」とは、1893年に南極を探検したノルウェー捕鯨船のカール・アントン・ラーセン船長に因んでいる。ラーセンC棚氷は、もともと「ラーセン棚氷」と呼ばれ、より広大なエリアだったが、最北部のラーセンA棚氷は1995年に、ラーセンA棚氷の南側にあったラーセンB棚氷(面積3,275km2)も2002年に崩壊。さらに南部に位置していたラーセンC棚氷も、数十年にわたって亀裂を作り、一部が最終的に分離した。

 分離した棚氷はしばらく洋上を漂流し、今後数年から数十年かけて徐々に崩壊し氷山になっていくため、すぐに海面上昇をもたらすわけではない。一方、南極大陸で棚氷が堰き止めていた氷河はすぐに海中に流れ込んでしまうことから、ラーセンC棚氷が堰き止めていた氷が全て海中に沈めば、世界の海面は10cm上昇すると言われている。

 棚氷の分離と気候変動の関連を示す確からしい証拠はまだ見出されていない。MIDASの研究チームも、棚氷の分離は気候変動に関連した現象ではなく、地理学的なものだと説明している。しかし、南極や北極では昨今、氷の厚さや面積が縮小していることも観測されていることから、気候変動の影響も疑われている。

【参照ページ】The one trillion tonne iceberg: Larsen C Ice Shelf rift finally breaks through

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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