世界銀行グループは7月8日、ドイツ・ハンブルクで開催された20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)の場で、発展途上国の女性起業を促進する新たなファシリティ「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)」の設立を発表した。発展途上国の女性が起業と事業拡大に要する資金や市場、人脈へのアクセスを拡大できるよう10億米ドル以上の動員を目指す。同ファシリティ設立を提案した米国が、その他の資金提供国とともに設立メンバーの役割を担う。
現在、世界全体で登記されている正規事業の30%以上は女性が経営者。しかし、発展途上国では、女性が経営する中小企業の70%が金融機関からの資金調達ができないか、借入条件が悪く設定されてしまう。そのため、女性経営の中小企業は年間3,000億米ドル近い資金不足に陥っている。他にも、人脈、知識、高価格品市場へのアクセスの欠如という課題もある。
We-Fiは、世界銀行内に金融仲介基金(FIF)として設立され、世界銀行やIFC、他の国際開発金融機関が実施パートナーとなって支援すべき民間企業や公的セクターをWe-Fiに提案していく。We-Fiが誕生すると、女性の起業を促進する世界銀行のファシリティとしては最大規模となる。資本アクセスの拡大や技術協力の提供に加え、世界銀行グループの援助受入国の女性及び女性が経営する中小企業 (SMEs)を支援するプロジェクトやプログラムに資金を提供していく。同ファシリティは、政府等からの3億2,500万米ドル以上の拠出を募るとともに、これにレバレッジをかけ、国際開発金融機関や民間金融機関から10億米ドル以上の資金を調達することを目指す。
We-Fiは、様々な課題を総合的に解決していくプラットフォームの役割を目指す。具体的には、国レベルの改革、民間投資との連動、女性が所有または経営する事業の設立・成長に関するナレッジをもとにした実行支援、主要データの収集、イノベーションと学習の支援などを重層的に展開していく。
【参照ページ】世界銀行グループ、女性起業家支援のファシリティを新設、10億ドル超を動員へ
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