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【国際】BNPパリバ、世界のESG投資の現状と動向を分析した報告書発表。ESG投資額は今後2年で2倍

 金融世界大手仏BNPパリバは7月6日、アセットオーナーと運用会社間のESGに関する意識とアクションを分析した報告書「ESG Global Survey 2017」を発表した。世界のアセットオーナーと運用会社は、今後2年間でESG投資額を2倍にしていくことを計画しているとともに、ESG投資に要するコストへの懸念が高まっていることが明らかとなった。

 今回の報告書では、2017年2月から4月にかけてアセットオーナーと運用会社461社への調査をもとに分析が行われた。調査では、アセットオーナーと運用会社との関係、ESG投資に対する障壁の変化、世界各地のESGアクションパターン等について回答が寄せられた。回答者の地域別割合は、北米、欧州、アジア・太平洋が約3分の1ずつ。アジア太平洋では、オーストラリア10%、インド6%、日本5%、中国4%、シンガポール3%、香港2%、マレーシア1%。

 調査からは、回答者の79%がESGを投資運用に統合させる「ESGインテグレーション」が実施されていることがわかった。ESGインテグレーションを実施しているアセットオーナーの45%は、投資におけるESG投資割合が現在25%以下だが、今後2年間で50%以上となるだろうとう答えた回答者は46%だった。また、ESGインテグレーションを実施している運用会社の約40%は、販売しているファンドのうちESG投資ファンド割合は25%以下だが、54%以上の回答者は、2年後にはESG投資ファンド割合が50%以上となるだろうと答えた。したがって、アセットオーナーと運用会社の双方で、2年後にはESG投資の割合が約半数となる見込み。ESG投資が主流の投資手法となりつつ様子が明確となった。

 ESGデータの取得と分析には、アセットオーナーと運用会社の両方にとって新しいツール、リソース、スキルが必要になるという課題がある。今回の調査からは、55%の回答者(アセットオーナーの64%、運用会社の47%)が、信頼性のあるデータの欠如が現時点でESG普及の障壁となっていると回答。しかし、将来には楽観的な見方も示し、同様に2年後もデータの欠如が障壁となっていると答えた回答者は、15%(アセットオーナーの22%と運用会社の8%)に減少した。

 一方で、コストがESG投資の障壁と答えた回答者は16%で、2年後の状況については27%に増加した。また、高度な分析スキルの欠如が障壁となっているという回答も、現時点で9%、2年後の状況については23%に増加した。このように、ESG投資実施における懸念は、データの欠如から分析能力や分析コストの増加に移り変わるという考えが垣間見られた。
 
 アセットクラス別のESG投資実施割合では、先進国株式が最も高く47%。続いて国内債券36%、新興国株式33%、外国債券29%、プライベートエクイティ22%、ヘッジファンドと不動産が19%、インフラとプライベートデットが16%だった。しかし今後のESG投資を増やしていくアセットクラスを尋ねた設問では、新興国株式と外国債券が34%と最も高く、続いてプライベートエクイティと国内債券が28%、ヘッジファンド23%、プライベートデット22%という結果となった。これまで先進国株式偏重であったESG投資が、今後新興国株式、オルターナティブ投資などの分野にも拡大されていく様子も見えてきた。

【参照ページ】Great Expectations: ESG

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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