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【国際】独環境NGOウルゲバルト、世界の石炭火力発電所建設を進める企業120社を公表

 ドイツの環境NGOウルゲバルト(Urgewald)とその協力団体は6月29日、世界全体で石炭火力発電所建設を計画している企業120社の一覧データベース「CoalExit.org」を公開した。現在、62ヶ国で1,600件以上の石炭火力発電所建設計画が進行している。全て完成すると、石炭火力発電所の設備容量は840GW以上増える見込み。今回公表された120社は、そのうちの3分の2となる550GWを占める。石炭火力発電は、二酸化炭素排出量や大気汚染物質が多く、気候変動を促進しやすいエネルギー。ウンゲバルトは、石炭火力発電を進める企業を公表することで、発電建設の中止を目指す。

 石炭火力発電所の新規建設の大半は、石炭火力発電を多く持たない発展途上国で計画されている。従来石油火力発電に依存してきたエジプト等、国内で初めて石炭火力発電所を建設する発展途上国が14ヶ国。また、発展途上国19ヶ国では石炭火力発電設備容量が2倍以上に増加する予定。パキスタンでは石炭火力発電容量が、190MWから15,278MWに、バングラデシュでは250MWから15,960MWに、ミャンマーでも160MWから5,130GWに増強される。

 石炭火力発電所を進める企業ランキング上位10社は、

  1. インド国営火力発電公社(NTPC):38.0GW
  2. 中国国家電力投資集団(SPIC):31.6GW
  3. 中国大唐集団:28.9GW
  4. 神華能源:26.0GW
  5. 中国華電集団:25.8GW
  6. 中国華能集団:20.8GW
  7. 中国国電集団:17.3GW
  8. インド電力金融公社:16.0GW
  9. 韓国電力公社:10.8GW
  10. 中国華潤電力:10.7GW

 上記企業には中国の国有電力会社が多く、合計では120社合計の43%を占める。このうち6分の1は中国国外での建設計画。

 また、日本企業の中では、ボツワナ、エジプト、インドネシア、日本、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、南アフリカ、ベトナムの9ヶ国で石炭火力発電建設を進める丸紅が5.9GWで1位、世界でも26位。続いて、電源開発(J-POWER)の3.2GW、中部電力2.4GW、関西電力1.8GW、中国電力1.8GW、東京電力1.5GW。

 世界の石炭火力発電事業の多くがアジアの企業である一方、ヨーロッパ、北米、オーストラリアの銀行や機関投資家が資金提供を行っている。アクサやアリアンツなど保険大手はすでに石炭採掘企業からのダイベストメントを決めているが、石炭火力発電企業全体からのダイベストメントまでには至っていない。また、石炭火力発電企業からのダイベストメントを決めた機関投資家でも、ダイベストメント対象を石炭火力発電からの売上が全体の30%や50%以上を占める企業に限定しており、それ以外の企業からのダイベストメントは行っていない。新興国の中では、業態変換で新たに石炭火力発電事業に参入する企業も出てきており、ウルゲバルトは投融資機関に対して投資先の石炭火力発電関与度を慎重に精査することを呼びかけている。

【参照ページ】New Database Reveals World’s Biggest Coal Plant Developers
【データベース】CoalExit.org

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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