サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGOのCeresは6月26日、機関投資家向けに食品業界に対してエンゲージメントをするためのガイダンス「Engage the Chain」を発表した。ガイダンスでは、牛肉、穀物、乳製品、紙製包装、パーム油、大豆、サトウキビ、小麦の8つの主要農作物・包装の環境・社会リスクをまとめた。
農業は、気候変動、森林伐採、水質汚染や生物多様性など環境破壊に繋がる側面があると同時に、労働者の人権侵害や貧困という課題も抱えている。食品企業の多くは、これらの農業が抱えるサプライチェーンリスクを完全には理解できていない。ガイダンスでは、食品企業が直面しうるレピュテーションリスク、市場リスク、事業オペレーションリスク、訴訟リスク、規制リスクの具体的な事例も解説した。
またガイダンスでは、機関投資家が食品サプライチェーンを理解しやすいよう、上記8つの農作物・包装について、生産から加工までのバリューチェーンと主な企業の図説、7つの主要ドライバーが各農作物・包装に与えるインパクト。各リスクに晒されている米大手食品・飲料企業の一覧表もまとめられている。さらに、投資ポートフォリオ上の重大リスクを評価・分析するための具体的な手法についても説明している。
今回のガイダンス作成にあたっては、ケロッグ、ゼネラル・ミルズ等食品メーカー、WWF等NGO、ボストン・コモン・アセット・マネジメント、トリリウム・アセット・マネジメント等運用会社がレビューを行った。作成資金は、ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団等が提供した。
【参照ページ】Ceres Launches New Investor Guide to Engage Food Sector on Sustainability Risks
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