英国中央銀行のイングランド銀行は6月16日、2017年第2四半期の定期報告書の中で、特集記事「イングランド銀行の気候変動への対応」を掲載。同行の気候変動対応に関する考え方を発表した。発表の中では、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに言及。イギリス国内の金融機関に対する気候変動リスクの管理を強化していく方針を伝えた。
イングランド銀行は、気候変動に関連するリスクとして、気候変動が引き起こす自然災害がもたらす物理的リスクと、低炭素社会に向けた新たな規制や技術革新がもたらす移行リスクの2つへの対応が必要となるという考えを示した。そしてこれらリスクに対応するため、個々の金融機関の監督を行うミクロ・プルーデンス政策と、金融システム全体の耐性を高めるマクロ・プルーデンス政策の両面を強化していく方向性を示した。ミクロ・プルーデンス政策としては、保険会社など気候変動リスクに直面している企業に対するエンゲージメントの実施や、銀行に対し気候変動リスクのモニタリング実施。マクロ・プルーデンス政策としては、国際的な金融関連イニシアチブである、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)や、英国も議長国を務めるG20グリーンファイナンススタディグループ、持続可能な保険フォーラムを率先してリードしていく考えを見せた。
とりわけ発表の中では、化石燃料に対する見方について、「座礁資産(Stranded Asset)」という表現こそ避けたものの、「Unburnable Carbon(燃やせない炭素)」という言葉を用い、パリ協定で定めた2℃目標達成のためには、石炭、石油、天然ガスが燃やせなくなることについても約1ページを割いて言及した。
【参照ページ】The Bank’s response to climate change
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