カナダの民間経済シンクタンクEcofiscal Commissionは6月8日、カナダの連邦政府および州・準州政府に向けたカナダの低炭素社会化提言レポート「Supporting Carbon Pricing: How to identify policies that genuinely complement an economy-wide carbon price」を発表した。
カナダの連邦政府、州・準州政府は2016年12月、カナダの気候変動政策の全体方針を定めた「クリーン成長と気候変動に関する汎カナダフレームワーク(Pan-Canadian Framework on Clean Growth and Climate Change)」に署名。カーボンプライシング(炭素価格)制度を気候変動の柱としつつ、それを補完するために非カーボンプライシング政策を導入することで合意した。現在、連邦および州・準州政府の双方で、具体的な政策立案が検討されている。
今回の提言レポートでは、連邦政府および州・準州政府が、非カーボンプライシング政策において留意すべきポイントがまとめられている。
Ecofiscal Commissionがまとめた提言は主に6つ。内容は、非カーボンプライシング政策をカーボンプライシングと整合性を持ち、全体として最適な制度設計となるよう慎重に立案することを求める内容となっている。
- 連邦・州・準州政府は、カーボンプライシングを気候変動政策の中核に据え、段階的に規制強化すべき
- 連邦・州・準州政府は、非カーボンプライシング政策を導入する前に(カーボンプライシング)との相補性を明確に示すべき
- 連邦・州・準州政府は、全国レベルでカーボンプライシングと補完的政策を調整できるよう尽力すべき
- 連邦・州・準州政府は、個々の気候変動政策と全体の政策パッケージの双方を定期的にレビュー・評価すべき
- 連邦・州・準州政府は、現在および将来の規制の全体的な有効性を評価するための統合モデルに依拠すべき
- 連邦・州・準州政府は、経済全体の炭素価格を導入するとともに、冗長または高コスト、有効性に欠ける政策を廃止または避けるべき
【参照ページ】Ecofiscal Commission Urges Governments to Set a High Bar for Non-Pricing Climate Policies
【提言レポート】Supporting Carbon Pricing: How to identify policies that genuinely complement an economy-wide carbon price
【政府全体方針】The Pan-Canadian Framework on Clean Growth and Climate Change
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