トロント大学セントマイケルズ・カレッジは6月6日、CSR/サステイナビリティ部門を担う人材に必要なキャリアパスやコア・コンピタンス(中核業務)に関する調査「Career Pathways」を実施し、調査結果をまとめた報告書を発表した。CSR/サステナビリティ分野は、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授は、この流れをイノベーションの「第6の波」と名付けてるなど、ビジネスの大きな分野へと成長してきている。社会人や新卒者の間でもCSR/サステナビリティの分野への関心が高まっているが、具体的なキャリアパスについてはあまり知られていない。
調査結果からは、CSR/サステナビリティの専門家は、8つの中核業務分野があると特定。「CSRとサステナビリティ(CSR)」「コミュニティ投資(CI)」「コミュニケーション・マーケティング・IR(CMI)」「ステークホルダー・エンゲージメント(SE)」「リポーティング(R)」「サプラ
イチェーン管理(SCM)」「環境マネジメント(EM)」「リスクマネジメント(RM)」。また、CSR/サステナビリティ分野には、統一的な職種名が定まっておらず、調査でも61の呼び名があると報告している。
また、CSR/サステナビリティ分野では、雇用の大幅な増加が見られ、大学でのCSR/サステナビリティ講座も急増している。プログラムは、社会人向けの修了証明書コースから、フルタイム学生向けの学士、修士、修了証明書コースまで多様な選択肢があるものの、多くははフルタイム学生向けのプログラムだった。
調査では、CSR/サステナビリティ分野に必要なコンピテンシー・モデルとして12項目を特定した。「リーダーシップ・チェンジマネジメント」「ガバナンス・リスクマネジメント」「CSR/サステナビリティマネジメント」「サステナビリティ/CSR戦略策定・遂行」「ステークホルダー・エンゲージメント」「サステナブル・サプライチェーン・マネジメント」「コミュニティ投資」「環境マネジメント」「マーケティング」「測定と報告」「社内広報」「社外広報」の12項目。報告書の中では、それぞれの12項目についての確認項目も用意されている。
セントマイケルズ・カレッジは、今回の調査をもとに、深く迅速な変革に必要な共通言語、精神モデル、知識、スキル、技量を正確に理解するための方法として、継続的で意識的な学習と進歩が必要だと強調している。インフォーマルあるいは非公式な教育も、専門性進展のために役立つとした。
キャリアパスについては、(1)志望するキャリア目標を決定する、(2)現在の強みとスキルギャップを判断するためにコンピテンシー・ギャップ・アセスメントを実施する、(3)公式、インフォーマルを含む、複数年にわたる学習プランを立てること、を推奨した。
【参照ページ】CSR & Sustainability Career Pathways Tool - Valuable Roadmap to a Meaningful Life’s Work
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