英小売大手マークス&スペンサーは6月1日、2025年を見据えた新サステナビリティ計画「Plan A 2025」を発表した。同社は2007年に、2020年に向けた長期サステナビリティ計画「Plan A」を掲げ、先進的な取り組みを実施していることで有名。今回は次のターゲットを2025年に定め、サステナビリティの目標を更新した。
Plan A 2025は、「小売店」「消費財関連企業」「社会全体」の3つの柱で構成。それぞれの分野が抱える大きな課題へのソリューションに寄与することを目的としている。課題の内容は、顧客と従業員のウェルビーイング、生活や地域社会の転換、地球環境への配慮など広範囲に及ぶ。
Plan A 2025の内容
幸福(ウェルビーイング)の主要内容
- 2022年までに世界全体の食品売上の半分以上を健康的な食品が占めるようにする
- 2025年までにガン、心臓病、精神疾患、孤独、痴呆分野での2,500万ポンドのチャリティ募金活動を支援
- 2025年までに同社販売の衣類20%以上がPlan Aで定める健康やウェルビーイングに関する基準を達成
- 2019年までに健康的な商品を選ぶように顧客にインセンティブ等を提供
- 2018年末までに全てのスナック、チョコレート、アイスクリームの商品当たりカロリーを250以下に低減
生活やコミュニティの改善の主要内容
- 2020年までに店舗周辺の地域社会に経済・社会・環境に資するプログラムを10地域で開始。2023年までに英国と海外100地域に、2025年までに1,000地域にプログラムを拡大
- 2025年までに衣類、雑貨、食品店舗半数で地域社会活動団体向けにスペースを開放
- 2017年から2025年の間に同社従業員の地域ボランティ参加を合計述べ100万時間に
- NGOオックスファムと提携し、イギリスとインドで調達と人権に関する研修実施。さらにオックスファムは、独立第三者機関として調達活動の調査報告を実施。それに基づき同社はアクションプランを策定。2018年以降毎年取組成果を報告
- 次の7年間、「M&S Global Community Programme」イニシアチブを通じ、同社サプライチェーン上にある100万人の生活改善と環境保護を実施
地球環境への配慮の主要内容
- 2022年までに全商品のパッケージをリサイクル可能なものに転換
- 2025年までに食品廃棄物を半減
- 2025年までに同社で使用する主要原材料のサステナビリティ調達割合を100%に。綿花は2019年までに100%を達成
- 2025年までに衣類・雑貨商品の25%以上で素材の4分の1以上をリサイクル素材に
- 2030年までに自社の二酸化炭素排出量を2007年比80%削減し、サプライチェーン上でも1,330万t削減
上記の目標はPlan A 2025の一部にすぎず、全体では100の目標が設定されている。マークス&スペンサーは、Plan Aへのコミットメントを示すため、全店舗でキャンペーンを実施する。大型店70店舗では、特別なスペースを確保し、詳細に店舗の取組や地域社会へのインパクトを紹介していく。さらに、同社の「Spend It Well」ブランドキャンペーンの一環として、ラジオやデジタルプロモーションの場も活用していく。
今回のPlan A 2025も、毎年6月に独立監査チームの審査を受け、進捗状況を公表する。
【参照ページ】M&S LAUNCHES PLAN A 2025 – AN AMBITIOUS, CUSTOMER FOCUSED SUSTAINABILITY PLAN
【レポート】Plan A 2025
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