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【中国】各地方政府、グリーンビルディング推進政策が活況。LEED認証にも大きな注目

 中国は建築物をグリーンビルディングにする壮大な計画を立てている。国としての気候変動への取り組みとしては、2020年までに新規建設物件の50%をグリーンビルディング認証を得たものにすることを目指すとともに、第13次5カ年計画でも建築物の環境効率化を優先的に扱っている。国際NGOの世界資源研究所(WRI)によると、これらコミットメントを実現すれば、国内のグリーンビルディング件数は2030年までに5%から28%に拡大。12兆9,000億米ドルの投資機会をもたらすことになる。

 同時に現在中国は大規模な都市化を進めており、今後15年間で建築物からのエネルギー消費量が40%も増加する見込み。建築物の急増とエネルギー消費総量の削減を両立させる手法に、大きな関心が集まっている。6月6日から8日まで北京で開催される第8回グリーンエネルギー閣僚会議でもこのテーマが議論されたと見られている。今年の閣僚会議は24カ国からの参加者が集まった。

 中国の大都市からは、すでに大規模開発・都市かと環境効率向上を両立させている事例がある。今年3月22日に北京で開催された「建築物エネルギー効率アクセラレーター(BEA)東アジア会議」で、3つの事例が紹介された。

上海市長寧区:エネルギー・パフォーマンス・データを用いた建築物ベンチマークの設定

 上海市長寧区は、地区の公共建築物165棟のうち160棟で、エネルギー・モニタリング・プラットフォーム(エネルギー使用状況をモニタリングするシステム)を設置。また、平均20%の省エネルギー実現のために、32棟の建物を改築し、残り133棟でも改築を促すため、他の地域で効果が立証されてた第三者評価に寄る建築物のランキング制度を導入することを検討している。また、建築物の省エネ改善で助成金2,300万元(約3.7億円)を提供。これにより民間部門の投資回収期間が短縮されたため、管理者が自発的に総額1億4000万元(約28億円)の省エネ投資を行った。

無錫市ハイテク産業開発地帯:財務的インセンティブとグリーンビルディング認証のリンク

 無錫市ハイテク産業開発地帯では、エネルギー効率の良い建築物の建設を推進するため、2016年2月から革新的な投資ガイダンス政策を発表。LEED認証と中国独自の3つ星評価システムのいずれかを取得した建物には助成金を支給している。いずれかの認証プログラムで最も高い評価を得た建築物は、地方政府から50万元(約800万円)、二番目に高い評価の建築物は、20万元(約320万円)の助成金を受けられる。ヒートポンプ技術、太陽光発電システム、その他のエネルギー効率化と再生可能エネルギー技術の使用にも同様のインセンティブが導入されている。制度はまた開始されたばかりだが、すでに無錫新呉区エコロジカル・シビライゼイション(文明)・パビリオン(展示館)・プロジェクトでは、最新版のLEED認証で最高評価を獲得した。

蘇州市太湖新都市:グリーンビルディングを用いた新都市構想

 江蘇省蘇州市太湖は、住民20万人に住宅を提供するとともに、教育訓練、研究開発、観光、金融などハイエンドサービス産業に焦点を当てた都市開発構想を検討している。全ての建物は、中国のグリーンビルディング認証プログラムから最低でも2つ星の評価を受けられるように設計。市政府はさらに、二酸化炭素排出量ゼロ学校の建設、エネルギー・モニタリング・システムの導入など革新的な取組も行う考え。2020年に新都市開発は完成する予定。

 WRIは、それでもまだ、都市の包括的計画、政策と規制の実施、利用可能な省エネルギー技術の導入、効果的なビジネスモデルと財務モデルの開発というc課題が残るとし、世界資源研究所(WRI)とパートナーシップを結んでいるBEAのコンサルティングサービスや、エネルギー閣僚会議での具体的なアクション設定が重要だと述べている。

【参照ページ】How Can China’s Green Building Sector Grow Fivefold by 2030? 3 Cities Show Us the Way

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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