英国ケンブリッジ大学のサステナビリティ・リーターシップ・インスティチュート(CISL)が推進するNatural Capital Impact Group(NCIG)は5月22日、企業が生態系へのインパクトを意識した経営を行うための新たな測定フレームワークを草案を発表した。今回発表の取組は、NCIGと気候変動に関心の高い欧米機関投資家10社で構成するInvestment Leaders Group(ILG)との協働の一環。草案策定に当っては、NCIG参加企業も協力した。
NCIGには、宝飾品世界大手ケリング、インフラ用建設・機器・業務サービスのインターサーブ、食品世界大手マース、英国小売アズダ等の大企業が参加している。一方ILGには、HSBC、ピムコ、ナティクシス、ファースト・ステート・インベストメンツなどが参加している。自然環境へのインパクト測定や自然資本と呼ばれる分野では、すでに自然資本プロトコル(NCP)など様々な国際的イニシアチブが生まれているが、産業界にとってNCIGは共通の尺度でのインパクト測定が重要だとし、今回、企業が与える生態系へのインパクトの測定に焦点を当てたフレームワークを開発した。
今回発表された「Healthy ecosystem metric framework」は、へのインパクトを測定するための一般的な計算方法と、生物多様性にフォーカスした詳細な計算方法の2つが紹介されている。一般的な計算方法では、「対象となる土地利用面積 × 土壌・水・生物多様性に与える量的及び質的インパクト」という式を示し、土地利用ごとの土壌、水、生物多様性という3つの観点からの計算手法を提示した。また、詳細な生物多様性のインパクト測定では、土地利用の算定と、生物多様性インパクトの算定の詳細考慮事項をまとめた。
NCIGは、今後も土壌や水の分野での詳細算定方式を検討、開発していく。また全体のフレームワークについても継続して改善していく。
【参照ページ】Natural Capital Impact Group introduces new biodiversity metric to help companies and investors improve impact on natural environment
【フレームワーク】Healthy ecosystem metric framework
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