消費財世界大手ユニリーバは5月11日、プラスチック包装を再利用する新たな技術「CreaSolv® Process」を、ドイツのフラウンホーファー・プロセス工学・パッケージング(IVV)と共同で開発したと発表した。プラスチック包装を新たなプラスチック包装の原料に再利用できる。現在世界全体でプラスチック包装の14%しかリサイクルされていないが、ユニリーバは、2025年まで全てのパッケージを再利用または堆肥化可能にする目標を掲げており、今回の共同開発はその一環。
新しく開発されたCreaSolv® Processは、電化製品に使われるプラスチックを溶解して樹脂と臭素系難燃剤を分離できるために開発された。そのプロセスを応用することで、プラスチック包装からプラスチック原料を抽出し、抽出したプラスチックから新たなビニール袋を生産できる。同社は、この技術を他社も公開し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向け、業界全体でのリサイクル推進を呼びかける。同社の試算によると、リサイクルを進めることで、同社だけで年間800億から1,200億米ドルの経済効果があるという。
ユニリーバは、この技術の実用試験を、インドネシアのパイロット工場で行う。インドネシアは、ゴミ問題が深刻化しており、年間6,400万tのプラスチックが生産され、そのうち130万tが海洋廃棄物となっている。同社は、インドネシアのゴミ銀行(回収したゴミを換金化してくれる施設)や、自治体、小売店らと協力してゴミ削減に取り組む。また、ゴミ清掃者の所得向上に繋がる制度設計も進めていく。
ユニリーバは、このような廃棄物削減の取組を、英エレン・マッカーサー財団とともに進めている。
【参照ページ】Unilever develops new technology to tackle the global issue of plastic sachet waste
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