オランダのトリオドス銀行は4月26日、同行としては英国で初となる個人普通預金口座(英語直訳では個人当座預金口座)の開設を今年6月から開始すると発表した。トリオドス銀行は、融資先を社会価値や環境価値の高い事業者に限定していることで有名な銀行。オランダを中心に、ドイツ、スペインなど欧州で約65万人の顧客を抱える。同行は2006年にスコットランドのエジンバラに支店を開設し、貯蓄預金口座や投資用口座の取扱を実施しており、すでに英国だけで約5万人の顧客がいる。今回、個人普通預金口座の開設し、英国内での資金力を増強する。
トリオドス銀行英国のベヴィス・ワッツCEOは、英国で個人普通預金口座の開設を開始する背景について、社会や環境に関心の高い預金者が安心して資金を預けられる選択肢を増やす意義があると語っている。現在、トリオドス銀行はスコットランドで130件のプロジェクトに融資しており、とりわけ再生可能エネルギーへの融資が多い。同行は、発行するデビッドカードの材質にもこだわっており、プラスチックではなく、環境配慮素材のものを用いていく。
英国では個人預金口座を巡り熾烈な争いが繰り広げられており、大手銀行は新規口座を開設し一定預金を行った人に対して数万円程度のキャッシュバックをするケースが増えてきている。英国決済機関BACSの調査によると、今年1月から3月までの英国全土の預金口座切替数は約25万件にも達した。その中で、トリオドス銀行は、キャッシュバックはなく、毎月3ポンドの口座維持手数料を徴収する。口座開設は18歳以上であれば誰でも開設できる。トリオドス銀行に切り替える個人顧客がどの程度現れるかに注目が集まっている。
【参考ページ】Ethical bank Triodos to launch first current account
【参考ページ】Is Triodos the ethical bank that could replace the Co-op?
【参照ページ】Trinidos Bank Annual Report 2016
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