シンガポール太陽光発電大手Sunseap Groupは4月25日、カンボジア初の大規模太陽光発電所建設で、アジア開発銀行(ADB)から920万米ドルの融資を得ることで合意した。建設する太陽光発電所の設備容量は10MW。建設場所は、ベトナムとの国境に近い東部のスベイリエン州の経済特区バベット近郊。稼働開始は2017年8月を予定している。
ADBは、今回のプロジェクトに対し、民間セクター事業部(PSOD)が資金調達パッケージを用意した。パッケージには、ADBのBローンプログラムを通じた民間銀行の協調融資と、ADBが資金拠出しているファンド「Canadian Climate Fund for the Private Sector in Asia(CFPS)」の譲許的融資(条件が優遇されている融資)などで構成されている。
Sunseap Groupは昨年、今回の発電所建設プロジェクトを入札で受注。すでにカンボジア国営電力会社Electricity Du Cambodge(EDC)との間で20年間のPPA(電力購入契約)を締結している。現在カンボジアでは、半分の人口が電力にアクセスできていない。またカンボジアでは電力の多くを海外からの輸入に依存している。カンボジア政府は、2020年までに全世帯に対して電力網を敷き、2030年までには70%の世帯に対し安定した電力を届けることを政策として掲げているが、再生可能エネルギーの開発目標はまだ定めていない。現地の太陽光発電協会によると、カンボジアの太陽光発電設備容量は現状2MWと極めて低い水準に留まっている。
国連開発計画(UNDP)は、カンボジアでの太陽光発電普及における課題として、政府が石炭火力発電や水力発電に傾斜しており、太陽光発電に消極的であること、送電網が未整備のため太陽光発電投資に関するリスクが大きいこと、太陽光発電パネルの安全基準や太陽光発での過剰発電を制御するための法律が未整備であることなどを挙げている。UNDPは現在、 再生可能エネルギー投資のリスク削減(DPEI)分析を行うコンサルタントを募集中。
【参照ページ】Cambodia’s solar development moves forward with 10 MW project
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