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【アメリカ】アップル「2017年環境進捗報告書」発表。製品生産100%リサイクル利用の長期方針発表

 米アップルは4月10日、2016年度の環境改善進捗状況をまとめた「環境責任:2017年度進捗報告書(Environmental Responsibility 2017 Progress Report)」を発表した。アップルは、この報告書の中で、製品生産を再利用部品やリサイクル素材のみで実現していく長期目標を示した。

 報告書では、「気候変動」「資源」「製品の安全性」「協働」の4テーマを挙げ、これまでの進捗状況を定量的に発表している。

気候変動

  • 世界中の自社施設で消費する電力に占める再生可能エネルギーの割合は96%
  • バリューチェーンを含めた同社の二酸化炭素排出量は2015年の3億8,400万tから2016年は2億9,500万tに大幅削減
  • 製品当たりの二酸化炭素排出量は2015年の114.1kgから2016年は97kgに大幅削減
  • バリューチェーンを含めた同社の二酸化炭素排出量のうち77%を占める生産工程で、サプライヤー34施設のエネルギー監査を実施
  • サプライヤー計19施設でエネルギー・トレーニング・プログラムを実施
  • 2020年までに再生可能エネルギー発電所4GW以上が完成見込み
  • 2018年までに再生可能エネルギー100%を実現するサプライヤーが7社
    • 伯恩光学-Biel Crystal:ガラス
    • 可成科技-キャッチャー・テクノロジー:筐体
    • 仁宝電脳工業-コンパル・エレクトロニクス:アルミニウム筐体
    • イビデン:集積回路基盤
    • 藍思科技-Lens Technology:ガラス
    • ソルベイスペシャルティポリマーズ:アンテナバンド
    • 欣旺達電子-Sunwoda Electoronics:バッテリー
  • アップル関連サービスのデータサーバは100%再生可能エネルギーで運営
  • 製品使用時のエネルギー消費量を2009年の24.2kWhから、2015年に8.4kWh、2016年に7kWhに削減

資源

  • 将来、全ての製品を再利用部品またはリサイクル素材で生産する方向性を発表
  • そのため44物質の環境・社会・供給リスク評価を実施
  • 2016年9月に再利用のための製品分解戦略レポートを発表
  • 2013年からのClean Water Program実施で、サプライヤーの水使用量を303億リットル削減
  • パッケージ用紙の再生紙率62%、サステナビリティ基準を満たす新紙率38%

製品の安全性

  • Clean Production Actionの「GreenScreen® for Safer Chemicals」などを参照し、法令より高い安全性基準を設定
  • 同社が委託している完成品組立18工場全てで同社の安全性基準を達成
  • 2016年には63の部品工場の査定を実施。2017年には50の部品工場で査定実施予定

協働

  • 再生可能エネルギー100%事業運営を目指すRE100に加盟
  • 有害物質フリー環境を目指すスウェーデンNGOのChemSecに参加
  • アルミニウムのサステナビリティ推進NGOのAluminum Stewardship Initiative(ASI)に加盟
  • ティム・クックCEOが中国・清華大学の諮問委員会理事に就任。同校の責任イノベーションに資金提供
  • 世界自然保護基金(WWF)のApps for Earth活動に資金提供

 また、同社は、3月27日にも、サプライヤーに対してする責任活動の進捗状況をまとめた「Supplier Responsibility 2017 Progress Report」を発表している。アップルは、サプライヤーに対しても環境・社会分野で改善を要求していることで非常に有名。2016年だけで、705ヶ所のサプライヤー工場の査定を実施した。

  • 高水準工場の割合が59%増加、低水準工場の割合が31%減少
    • 高水準工場(90点以上):332
    • 中水準工場(60点ー89点):349
    • 低水準工場(59点以下):24
  • 週60時間、週1日休日以上の労働時間基準遵守率が98%
  • 中国の最終組立工場での「UL Zero Waste to Landfill」認証取得100%
  • Corporate Information Transparency Index(CITI)で世界初の3年連続80点以上
  • 同社の省エネプログラムに参加する工場数が3倍に増加
  • サプライヤーの労働者に対する違反調査で22,000人から回答
  • 米紛争鉱物ルールで定められている金、スズ、タングステン、タンタル(3TG)に加え、コバルトも加えた全精錬・精製業者を公表
  • 2015年に3TGで外部監査100%を達成。2016年にはコバルトを含め100%達成
  • 3TGとコバルトで、外部監査基準を上回る独自リスク評価「Risk Readiness Assessment(RRA)」を開始

【報告書】Environmental Responsibility 2017 Progress Report
【報告書】Supplier Responsibility 2017 Progress Report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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