国際環境NGOグリーンピースの米国団体グリーンピースUSAは4月19日、2017年度の「ツナ缶ブランドランキング」を発表した。同ランキングの発表は今年が2回目。ランキングでは米国で販売されてるツナ缶の主要ブランド20個をサステナビリティの観点から独自に評価。全ブランドのランキングが公表された。
米国は世界最大のツナ缶消費国。グリーンピースUSAは、ツナ缶のブランドランキングを公表することで、消費者に対してサステナビリティに配慮した製品の購入を呼びかける一方、ツナ缶を扱う流通企業に対しても事業リスク認識を促したい考え。ランキングの評価では、「サステナビリティポリシーの有無」「調達まぐろの漁業資源量への配慮」「トレーサビリティ」「他の海洋生態系に影響を与えない漁法」「製品ラベル」「海洋保護区保護」「倫理的な労働慣行」「違法漁業への関与」の8つの観点が用いられている。
ランキング上位陣は、同列1位「Wild Planet」と「American Tuna」、3位「Whole Foods」、4位「Ocean Naturals」。Wild Planetは昨年に続き2年連続の1位。同ブランドを手掛けるWild Planet Foodsは、厳しいサステナビリティポリシーを定めているだけでなく、消費者向けにもウェブサイトを通じて積極的に情報を発信。まぐろ漁法でも、全て一本釣りから流し釣りのみに限るなど、生態系への配慮を行っている。同社は、調達基準では、Monterey Bay Aquariumのガイドライン「Seafood Watch Program」を参照しており、調達するものの大半がガイドラインで最高レベル「グリーン」の判定を得ている。また、同ガイドラインで調達すべきでないとされるものは一切調達していない。
同列1位となったAmerican Tunaは、昨年2位から順位を上げ、Wild Planetと並んだ。同社も漁法は全て一本釣りに限定。サプライチェーンも全て追跡可能となっている。最近から消費者向けの情報公開を始め1位へ順位を上げた。3位のWhole Foodsも昨年4位から一つ順位を上げた。同社は今年3月に米国小売店で初めてスーパーマーケットで扱うツナ缶を100%持続可能な商品にする方針を固め、2018年1月までに全ての商品を同社のサステナビリティ基準にを満たすことを決めた。この新たな基準では、漁法は全て一本釣りか流し釣りに限定、海洋管理協議会(MSC)認証を取得するか、Monterey Bay Aquariumの「Seafood Watch Program」でグリーンまたはイエローの評価を得る必要がある。また、トレーサビリティシステム「Trace Register」を導入し、漁船からツナ缶までのサプライチェーン追跡が義務付けられる。
一方、市場シェア上位のChicken of the Sea(15位)、Bumble Bee(17位)、Starkist(20位)の3ブランドは、いずれも順位を落とした。Chicken of the seaは、世界最大のツナ缶メーカー、タイの「タイ・ユニオン」製。タイ・ユニオンは、ツナ缶のサプライチェーン上での労働慣行を是正すると発表したが、まだ具体的な施策が打たれていないと判断された。Bumble Beeを生産するBumble Bee Foodsは、北米最大の常温保存可能シーフード食品メーカー。同社は、別の持続可能なツナ缶ブランドでは高い基準を課しているが、主力のBumble Beeブランドでは同基準を適用していないことが努力不足と見做された。また、Starkistは、韓国・東遠グループ傘下で米国最大のツナ缶メーカー。人権や環境に関する明確なポリシーがないことで、昨年に続き最下位となった。
【ランキング】2017 Tuna Shopping Guide
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