国際環境NGOのRainforest Action Network(RAN)は4月24日、東南アジアの熱帯雨林破壊に関与しているとみられる事業会社の状況をまとめたレポート「投資家には責任があるー森林と金融調査レポート」を発表した。RANは昨年9月にも他の環境NGOとともに同様の報告書を発表していたが、今回は事業会社8社を取り上げ、森林破壊とともに人権侵害の状況についても調査。同業界に対して投融資を行っている機関投資家や銀行に対してリスク把握を呼びかけた。
【参考】【国際】環境NGOのRAN等、東南アジア熱帯雨林伐採に資金提供する金融機関を公表。みずほFGが世界3位(2016年9月22日)
RANが今回詳細調査を行ったのは、東南アジアでパーム油、紙パルプ、ゴム、木材生産を行っている王子ホールディングス、丸紅、伊藤忠商事、フェルダ・グローバル・ベンチャーズ、インドフード、IOIグループ、ウィルマー・インターナショナル、APPの8社。自社またはサプライチェーン企業において、児童労働、強制労働、先住民の土地搾取、熱帯林破壊、炭素を豊富に含んだ泥炭地の破壊、現地の汚職に便乗した利益享受、違法に製造された商品の売却など、社会や環境問題に関する問題を調査、分析した。RANによると、8社はそれぞれ、社会・環境に関するポリシー等を公表しているが、問題は改善されていないという。
報告書では、同8社に対して投融資を行っている銀行、機関投資家として、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、中国開発銀行、RHBバンキング、CIMBグループ、HSBC、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、バンガード、エンプロイーズ・プロヴィデント・ファンド、ブラックロック、ディメンショナル・ファンド・アドバイザーの名を挙げ、リスク把握を促した。
対策として報告書は、銀行と機関投資家に対して、適切な事業デューデリジェンスやエンゲージメントを行うための具体的なチェック項目や質問事項を紹介。それでも改善が見られない場合は、ダイベストメント(投融資引揚げ)も一つの手段だとした。
同報告は、4月26日に開催されるイベント「RI Asia 2017」の中でも発表される。
【参照ページ】大手金融機関、商社、GPIFの森林破壊・搾取・児童労働への関与が判明
【報告書】投資家には責任があるー森林と金融調査レポート
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